2015年09月20日

GJ56号:江戸幕府の黄昏

「Twilight Struggle」システムを援用してカード・ドリブン形式により、幕末期の佐幕派と倒幕派(当時の用語としては勤王派)のシーソーゲームを再現する。時期としては、第二次ペリー来航から鳥羽伏見戦の開戦までを描いているので(錦旗が上がったらサドンデス)、戊辰戦争のゲームでは無い。近藤友樹氏のデザイン。

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日本を5つの地域に分け、さらに京と開港地の計8地点の支配をめぐって得点を争うが、他にもカード・イベントや朝廷工作によって得点が得られる。
「Twilight Struggle」と同じで、基本的に部隊ユニットは存在せず、影響度マーカーと特定の影響力を有する人物のユニットで、各藩や京・開港地の支配を表す。
プレイヤーは、佐幕派と倒幕派に分かれて、配られるカードを駆使して以下のことを行う。

・影響力を配置する。
・(敵の)影響力排除を試みる。
・敵方の支配転覆を試みる(政変)。
・朝廷工作を試みる。
・カードに記されたイベントをプレイする。


勝利得点の計算は、カードに記された強制イベントによって地域別に引き起こされるため、予測が難しく、基本的には全国に満遍なく支配を確立するのが望ましいが、得点配分は西国に高めに設定されているため、どうしても九州や中国地方をめぐる争いが苛烈になる。
相手方が支配する藩政権を転覆させる「政変」は最も有効な手段の一つだが、「列強介入レベル」が上がってしまうため、サドンデス敗北するリスクを負う。

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カード・デッキは「鎖国」と「開国」の2つで、イベント進行により「条約レベル」が上昇すると、「開国デッキ」が加えられる。同時に、プレイヤーに配られる手札も増えてゆくため、シーソーゲームもイベントも過激になってくる。
イベントとしては、鎖国期には、「和親条約」「安政の大獄」「横浜開港」「桜田門外の変」など、開国期には、「海援隊」「薩長同盟」「長州征討」「薩英戦争」などが存在し、「蛤御門の変」「八月十八日政変」など京の支配を一変させるイベントも起きる。
鎖国期には、徳川家茂や井伊直弼が登場し佐幕派に有利に展開するが、開国期には前二者が死亡したり、坂本龍馬や高杉晋作が登場することで倒幕派が有利になってゆく。

この日は、O先輩とインストを含めて約6時間、2回プレイして、倒幕派、佐幕派ともに一回ずつの勝利となった。2回ともサドンデスに終わらず最終ターンまで持ち越したことを考えても、バランスの取れた仕上がりになっていると思われる。
ただ、最初のプレイでは、井伊直弼が登場した途端に死亡(桜田門外の変)する一方、坂本龍馬が大活躍して、西国が真っ赤(倒幕派)に染まったため、盤面上は圧倒的に倒幕派に有利だったが、ポイント計算のタイミングが悪く、最終ターンになだれこんだものの、佐幕派の投了によって終了した。
二回目のプレイでは、早々に井伊直弼と徳川家茂が登場して中部地方を中心に佐幕派の影響が強固となった一方、倒幕派には坂本龍馬も高杉晋作も登場せず、薩摩や土佐の支配は二転三転、さらに佐幕派は4回の朝廷工作を全て成功させて、「手札プラス1枚」を早々にゲット、佐幕派主導のまま最終ターンにもつれ込み、佐幕派に「錦旗」が立って終了した。
ゲームバランスの印象としては、史実通り倒幕派有利な感じがするが、佐幕派も十分に戦える。ただ、佐幕派はどこをいつまで保持するのかの判断が難しそうなイメージだ。

ゲームのイメージとしては、幕末のシーソーゲームやカオス性が非常に当時の雰囲気を再現している気がする。特に長州や水戸あるいは土佐のブレっぷりや京の過熱ぶりは、「いかにも」だった。雄藩に限らず、雄藩の隣にある宇和島や熊本、広島や福岡藩でも激しいデッドヒートが繰り広げられ、「同藩の幹部は両派からの脅迫文でストレス死するんじゃないか」と話したほど。
今回のプレイで勤王派が勝利した際は、さんざん勤王派が利用してきた坂本龍馬を、最後の最後に自分で暗殺して3VPを得るという極道ぶりが発揮され(私がやったんだけど)、あまりにも印象的だった。

非常にプレイアビリティが高く、カードの出方次第で様々な展開があり、プレイバランスも良好そうで、なかなかの佳作だと言えそうだ。
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2015年06月09日

ウィッチャー3 ワイルドハント

長いことTVゲームを紹介することなかったが、久しぶりに「マジ凄え」と思えるソフトに出会った。

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『ウィッチャー3 ワイルドハント』 スパイク・チュンソフト PS4 / XBOX ONE



オープンワールド系のアクションRPGで、いわゆる洋ゲーである。洋物RPGはどうにも世界観に入り込めず、アクションやら描写がいささか野暮ったく、翻訳に難があるものが多いので、今まで殆ど忌避してきた。だが、色々リサーチした結果、本作は「かなり行けそう」と判断、PS4への移行も念頭に購入に踏み切った。もっとも、購入直前になってPS3以前のソフトに未対応という、いつものソニー・クオリティが発覚して少し逡巡してしまったのだが、意を決することにした。今では、新機種を購入するだけの価値があると確信している。

オープンワールド系RPGはメインストーリーが弱かったり、逆にサブストーリー(クエスト)は数こそあっても内容的にショボいものが多いという問題があるように感じていたが、本作はメインの骨格がしっかりしている上に、メイン外のクエストの充実ぶりが半端ない。また、もう一つのオープンワールド系の問題である「キャラクターが弱い」という点も、シリーズものの積み重ねやメインストーリーの骨格に関連してクリアしており、世界観やキャラクターに入り込みやすくなっている。
様々なストーリーも、会話の選択肢によって分岐するようなのだが、メインはおろかサブストーリーにしても会話や物語の流れに不自然なところがなく、「電源系RPGもここまで来たか!」と驚かされる。
もっとも「3」であるがために、「1」「2」のストーリーの延長線にあり、その物語や人物関係もいささか混み入っているようなのだが、前作をプレイしていない私でも十分に楽しめている。

「ウィッチャー」というのは、特別な才能を持ち、厳しい訓練過程を経たプロのモンスターハンターを指しているのだが、人々からは一般的に忌み嫌われており、本編でもNPCたちは「化け物が」「あっち行け」などと陰口叩きまくりのくせに、モンスターが現れるとすぐに頼ってくるという、現実世界の不平等と不条理をそのまま具現化している。どうやら原作はポーランド人が書いているようで、英米人の作品とはひと味違った屈折ぶりが非常に良い。

さすがにPS4で、その描写力はひたすら「凄え」と感嘆するばかり。PCゲーでは18禁なのだが、上手くやり繰りしてストーリーやシーンの削除は一切していないという点も評価できる。ロードの時間はやや長いものの、プレイ中に止まったり、遅くなるということは殆どない。中世の建物や衣装の再現ぶりも半端ないし、モンスターもリアルすぎるほどに作り込まれている。特に文字だけでなく、NPCの音声や歌までもが日本語化されており、「どんだけ金かかってんだ?」と思ってしまう。翻訳の水準も他の洋ゲーに比して高く、違和感が少ない。

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リアルアクション系なので、戦闘の難易度は高めになっているが、「ダークソウルズ」のような「死のお百度参り」というほどでもない。難易度は4段階あり、自分で設定できるものの、慣れない人でも一番楽なモードにしてしまったら、魅力が半減してしまうかもしれない。
私も最初は操作に慣れず、野犬と戦ってHPが半分にさせられてしまった。だが、「敵わなければ逃げて再戦を期す」というのも、本作の重要なテーマらしい。
にもかかわらず、本作ではとにかくレベルが上がらない。私も20時間強、日曜深夜の3時までプレイしてようやく4レベルになったという始末。困難を乗り越えモンスターを倒しても入手する経験値は微々たるもので、しかも普通のRPGみたいにはモンスターが徘徊していないので、レベル上げが難しい。さらに言えば、野犬が1レベル、狼2レベル、グールが3レベルで、熊が6レベルといった設定になっており、私も2撃で熊に殺されて「リアルすぎるだろ」と思った次第(難易度は4段階の2)。にもかかわらず、「無理ゲー」な感じはしない。

というのも、書籍などを入手することで、モンスターの情報が手に入り、弱点を知り、その対策をした上で戦いを挑むことが前提となっているからだ。討伐系のクエストは特に良く出来ている。従来のイメージでは、ダンジョンに潜って最深層で待ち構えている大ボスを倒して一件落着という感じだが、本作ではそもそも敵ボスが容易に現れてくれない。主人公(自分)は、モンスターを見たという人を訪ねて質問し、現場を検証、事件の概要とモンスターの能力を推察する。そして、その弱点に合わせて装備や魔法(印)を準備して、罠を仕掛けて待ち構えるのだ。つまり、クエストの9割方は刑事のような仕事で、最後の最後だけ「ハンター」になる。「羆撃ち」のノリに近いのかもしれない。
要は無双系の真逆を行くわけだが、戦闘そのものよりも戦闘に至る経緯の作り込み具合が半端なく、非常に納得度の高い仕上がりになっている。結果、メインストーリーそっちのけでサブクエストにはまってしまい、全然進まないことになるのだが。
戦闘描写はやや地味ながらも洋ゲーらしからぬ格好良さがあり、クリティカルで部位切断が決まると岡本喜八状態になってエグさがある。また、「印」や爆薬を上手く使いこなすことがポイントなのだが、罠をはって上手くはめられるとかなり気持ちよい。

とにかく時間が掛かりそうなゲームで、20時間ちょっとプレイしてようやく序盤の一枚目のマップを終えたというレベルなので、量が膨大すぎてラストまでモチベーションが維持できるのかという疑問はあるものの、現時点におけるRPGの最高峰に位置する作品と言えそうだ。
posted by ケン at 12:44| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月06日

アンドールの伝説「星の盾」

ファンタジーRPG風のボードゲーム「アンドールの伝説」の拡張キット。ブログではあまり紹介できていないが、最近では希望する人が多く、回転率の高いゲームになっている。今回も写真を撮るのを忘れるほど熱中してしまった。
基本的には追加シナリオで、いくつかのコマが追加されている程度のものなので、ボードは基本セットのものを使う。だが、展開は「いつも通り」にはならなかった。

本拡張キットの特徴は、「星の盾」という基軸のストーリーを持ちつつも、登場する敵ボスやモンスターと、主人公たちが背負う任務がランダムになっているため、幾通りものケースが発生する点にある。今までのシナリオであれば、一度任務に失敗しても、出てくる敵や任務が概ね同じであるため、リセットしてやり直すだけで済んでいたが、今回は必ずしも失敗がそのまま成功に繋がらない。
確かに基本的なところは同じで、@城を守る、A王命をこなす、B敵ボスを倒すの3つを全て達成することが求められるわけだが、特にAとBがランダムになったことで難易度が増している。さらにメインストーリーである「星の盾」の入手まで課されるのだから、ブラック度もさらに増してしまっている。

基本セットの最終シナリオでドラゴンを倒し、アンドール侯に任じられた主人公たちだったが、下される命令は相変わらずで、「(不倫に出かけて)行方不明になった王を探せ」だの「森で薬草を探してこい」だの、「俺ら貴族になったんだよね?」という疑問符が付きまくる。さらに平和ボケのせいか国費の無駄遣いが進んでいるようで、初期装備もショボくなっている。挙げ句の果てに「ドラゴンがいなくなって抑えが効かなくなり、モンスターが暴れ出した?!」と言われるに至っては、「冷戦が終結して戦争が増えました」みたいな話になっている。ドイツ人の皮肉なのだろうか。

一回目は戦力不足で「トロールの投石機」に勝てず断念。二回目は戦力分散と時間切れと計算違いから城が陥落して敗北。どちらも敗北に終わったものの、「あと少しだったのに」と思わせるところがまた絶妙で、「もう一度!」の声が止まない。
三回目は「王様捜し」も「闇の神殿」もすんなり解決、城の周りのモンスターを退治して余裕で勝利した。一つには、任務の組み合わせによる相性が大きいような気がするが、いずれにせよ相変わらず絶妙なバランスで、勝利時の達成感と疲労感が心地よい作品だった。
posted by ケン at 22:52| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

再戦:France 40’

約一年ぶりとなってしまったが、GMT社「France 40’」の再戦。
ところが、始めて数ターンしてまたもやルール解釈に致命的な誤りがあったことが発覚して最初からやり直しになってしまった。もはや言い訳でしかないのだが、ルール自体は簡単なのにどうも一般的な作戦級とは少し異なる要素が入っているため、つい見落としてしまうところがある。いや、ルールをきちんと再読しなかった私の責任なのだが。

今回も派手な突破は無く、地味にムーズ河を渡ってフランスに侵入するドイツ軍。
連合国側も淡々と空いた穴を防ぎ、一時一部には二重の防衛線が敷かれ、ドイツ軍プレイヤーは「いや、こんなんじゃ全然ダメだろう、一体何が悪いんだ?」と思いながらずっとプレイしていたという。
ところが、アルデンヌの森を抜け、戦線が拡大し、ドイツ軍の正面戦力が充実してくると、連合国側の防衛線は段々薄くなり、部隊の足が遅いことから特に中央部には空隙ができてくる。4ターンくらいが目安だろうか。
今回の場合、第6ターンに数カ所で大穴が開いて、連合国軍の主要な防衛部隊が包囲されるに及んで、とたんに防衛線が激薄状態になってしまう。連合国側は毎ターン3〜4ユニットしか増援が出てこず、登場する箇所もランダムなので、登場数以上にユニットが除去され、主戦線に近いところから増援が出ないターンがあると、いきなり危機に陥ってしまうことがある。今回で言えば第7ターンがそれで、連合軍ターンが終わった後に中央部に大穴が開いたままになってしまった。
やり直したこともあって、その日はここで終わり、8ターン目の独軍移動を検討するに止まった。

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第6ターンのドイツ軍フェイズ終了時。防ぎきれない大穴が……

勝利条件では、ドイツ軍が勝つためには、第10ターンまでに西端に到達し南北の鉄道線を遮断するか、連合軍増援出現箇所を10カ所抑える必要があるため、独軍プレイヤーは「間に合いそうにない」と思ってしまうようだが、連合軍側は一度大穴が開いてしまうと、手当する術がない上に、鉄道線と増援出現箇所の両方は守れないため、これまた「10ターンまで持たせられるか微妙すぎる」という感想だった。正直なところ、ドイツ軍側がパットンのように側面を気にせずに突進してきたら、連合国側としては為す術がないかもしれない。やはり最後までやらないと分からなそうだ。

しかし、両軍とも「厳しい」と感じながら、両軍ともにチャンスがあり、良いバランスに仕上がっている。ユニット数も多くなく、4〜5時間でラストまでプレイでき、老ゲーマーに優しい設計と言える(笑)
是非とも近々再戦して最後まで見てみたいものだ。

【参考】
France’40 (GMT) 
posted by ケン at 11:57| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月18日

GJ:フリードリッヒ最大の危機

ゲームジャーナル第50号付録。発売から一年を経てしまったが、初プレイにこぎつけた。
日本では馴染みの無い「七年戦争」のキャンペーンを、「信長最大の危機」システムで再現している。デザイナーはふゅ〜ら〜中村氏。
プロイセンのザクセン侵攻に始まり、オーストリア、フランス、イギリス(ハノーバー)、ロシアと参戦国が増えてゆく構図になっている。反プロイセン同盟はプロイセンを包囲し、兵力の優越によって押し込んでゆくのに対して、プロイセンは内戦の利、機動性、作戦能力によって各個撃破を図る。

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ロボジッツを挟んでドレスデンの普軍とプラハの墺軍が睨み合う。

O先輩がプロイセンを、ケン先生が反プロイセンを担当する。一回目はフリードリヒ大王が指揮するプロイセン軍主力がフランス方面に向かった隙に、ダウン元帥率いるオーストリア軍がドレスデンを攻撃、陥落させるも、プロイセン軍は動けず、そのまま墺軍がベルリン、マグデブルグを占領して反普軍の勝利に終わった。
二回目は、プロイセン軍が戦力集中を徹底させてプラハを陥落させるも、ロシア軍がシュテッティンを落とし、一時はベルリンを占領、「フリードリッヒ最大の危機」を迎えるが、大王が八面六臂の活躍で西に東に何度も転じて反撃、同盟軍の進攻を止めた。西ではフランス軍とイギリス軍が対峙、西ではロシア・オーストリア軍とプロイセン軍がにらみ合う時期が長く続く。ジリジリと南進する普軍に対して墺軍が1.5倍の兵で決戦を挑むも大敗し、壊走してしまう。その後、ロシア軍もジリジリと押し戻されるようになるが、プロイセン軍が負けることもあり、一進一退の状態となる。
ロシア女王エリザヴェータがイベントで死亡すれば、プロイセン側に寝返るルールになっており、仮にこれが出ればプロイセンの勝利で終わるところだったが、ダイス「1」が出ないため、時間切れで終了となった。最後までプレイすると4時間前後かかりそうだ。

総評としては、確かに馴染みの無いテーマではあるものの、「信長最大の危機」システムで安定したバランスと偶然性が楽しめる。チット制なので、どの国がどのタイミングで動くか分からず、全く予想外の展開になることもままあるが、よほど偏らない限り、酷い展開にはならない感じ。ただ、基本的にプロイセン側はチット2枚に英軍チット2枚の4枚を有しており、対する同盟軍は墺2、露1、仏1で同じな上に、プロイセンは行動ダイスにプラス2されるため、プロイセン側が良く動く形になっている。また、能力値的にもプロイセン&イギリス軍が同盟軍を上回っているため、「信長最大の危機」の織田方に比べると危機感が小さそうだ。とはいえ、プロイセン側もウィーンを目指せるほどの能力は無く、「ロシア離反」イベント待ちになってしまう可能性が高そうで、やや「モグラ叩き」ゲームと化してしまっている観がある。とはいえ、七年戦争の史実再現性は高いかもしれない。ただ、イギリス軍が最後まで激しく動くのはどうだろうという気はする。

「信長最大の危機」の織田方は、本願寺や浅井・朝倉といった「宿題」が課され、その宿題をかたづけないと自信の兵力が増えない上に、武田や毛利などの大敵ばかりが増えて行く構造になっており、危機感がハンパない。熟練プレイヤーだと、なかなか織田方が勝てない感じなのだが、それでも燃えるのは織田で勝利したときの達成感が大きいからだろう。
それを考えると、良く出来てはいるが、やや「惜しい」気がする。
posted by ケン at 14:04| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

カヴェルナ:洞窟の農夫たち

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ローゼンベルグ氏による『アグリコラ』の後継作品。
本作も箱庭づくりに精を出して、その完成度を競うわけだが、今回は農場や牧場の他に洞窟掘削と探索冒険という要素が加えられている。プレイヤーはドワーフ一族の長として森を切り開いて畑や牧場を造り、洞窟を掘り進めて住居を拡充して様々な部屋を設置しなければならない。

今回はO先輩とA後輩の3人でインストールを兼ねてテストしたが、アグリコラと似ているようで微妙に異なる点や新たな探索ルールの解釈でミスを重ねつつ、ルールを確認しながらのプレイとなった。2回プレイしたが、後でルールを読み返してみると、2回目もちょっとした解釈ミスがあったようで、再度ルールを照らし合わせる必要がありそうだ。これはルールが難しいからではなく、簡単であるが故に勝手な思い込みが発生しているということのようだ。翻訳ルール故の曖昧さという問題もあるかもしれない。

アグリコラでは概ね「農場か牧場か」という路線選択で、最初の手持ちカード(職業と進歩)でその方向性を決める感じだった。それに対してカヴェルナは「農牧か探索か」という選択で、カードが無いためにプレイヤーの嗜好と場の流れで方向性を決めることになる感じ。自由度が高くなっている分、悩む人がいると時間が掛かりそうだ。
食糧供給もアクションも縛りが緩くなっており、「家族を食わせなければならない」ストレスが減っていると同時に、箱庭の成長度も上がっている気がする。アグリコラの「ギリギリ感」が薄れている点は好みの分かれるところかもしれない。

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本作で導入された「探索・冒険」は、鉱石を使ってドワーフを武装させて探索アクションを行うと、武装レベルやアクションに応じて様々な物資を調達したり、追加アクションが可能になったりする。しかも、探索を行うと自動的にレベルが上がっていくので、一見地味な農場作りよりも有利そうに見えるのだが、レベルの高いドワーフは行動順が遅くなるなどの縛りがあるため、家族ゴマを増やしにくくなると同時に、開拓が遅れる難点がある。「探索」を行うと、例えば野菜と豚が得られるとか、「冒険とか言っちゃって掠奪なんじゃね?」と思わなくもないのだが・・・・・・
アグリコラでは家族を増やすことが勝利のための絶対条件だったが、本作では必ずしもそうとも言えないようで、農牧と探索のバランスも良く、全体のゲームバランスが改善されているように思われる。
また、アグリコラは自分の農場さえ見ていればOKという感じだったが、本作では農牧系と探索系が競うような雰囲気になっており、面白さが増している気もする。

この日はルールを確認しながらなので時間が掛かったが、イメージ的には人数×40分というところだろうか。一応7人までプレイ可能とあるが、6人以降は手番待ちが辛そうに思える。プレイアビリティを考えれば、4〜5人が良いところだろう。だた、プレイ人数によって可能なアクションが変わってくるので、盤面の様相も変化が楽しめそうだ。
3人でプレイしても、みな手に汗を握って前のめりになってエキサイト、2プレイですっかり疲れてしまった。次にどのアクションをすべきか、何をするのが最も効率的なのか、必死に頭を働かせている感じがする。
近々、できれば4人で再戦してみたい。
posted by ケン at 09:26| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

ラビリンス‐テロ戦争:第3戦

気づいてみたら一年ぶりになってしまったGMT社『ラビリンス‐テロ戦争』。これはこれで「名作」と呼んでも良い作品だと思うのだが、いかんせん精神的にキツい(特にUS側)ので、つい他のゲームを選んでしまう。が、今回は国際情勢を反映してか、後輩の一人が興味を持ったのでインストールすることになった。とはいえ、私も一年ぶりで、ルールを読み返しても相変わらずつかみ所の無いシステムで、イマイチ要領を得なかったのだが。

やはり最初は「9・11シナリオ」で2001年スタート。今になって思えば、あの時もブッシュが「テロを撲滅しなければならない」としてアフガニスタン侵略を宣言したわけだが、13年以上経てもなお、全く同じ言説が繰り返されている。まさに「ラビリンス」だろう。

後輩AがO先輩のサポートの下でジハーディストを、ケン先生がアメリカを担当。
いきなり「ビン・ラディン」カードなどによって米国の威信(実際には米国の国際的信頼度と言った方が良い)が「4」も低下して、いきなりイデオロギー戦争(実際には米国の国際援助)のダイス修正がマイナスになってしまう。

ジハーディストの目的は6リソース分のイスラム原理主義国を樹立することにあるが、テロを起こすことで資金を獲得しつつ、米国の威信が下げることでその行動を大きく制限してゆくことが必要となる。
他方、アメリカの目的には中東地域に12リソース分の「安定国家」を樹立することにあるが、テロリストの拡散を防止しつつ、その資金源を潰して行動を抑止する必要がある。

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ケン大統領は「アフガニスタン解放」を宣言、まずタリバン政権を打倒する。やはりアフガンから無尽蔵にテロリストが沸いて出てくるのを放置するわけにはいかんだろう。
だが、同地に山ほどいたテロリストどもは中央アジアとパキスタンに避難してしまう。どちらも大量破壊兵器を保有しており、危険極まりない。だが、アメリカは非同盟国に軍隊を送ることはできず、「プレデター」や「特殊部隊」などのイベントでしか除去できない。アフガンでテロリストを排除しても、パキスタンなどからすぐさま潜入してきて次々とリクルートし、続々と沸いて出てくる。何も解決していない。
必死にジハーディストの資金源を絶とうとするも(イベントカードを優先的に使用)、ジハーディスト側は中央アジア、パキスタン、中国などで爆弾テロを行い、すぐ回復してしまう。このゲームでは、テロは「宣伝による寄付金強化」という位置づけになっている。しかも、ジハーディストはダイス目次第で何度でもテロをプロットできるが、アメリカ側は貴重な「3」のカードを使って一カ所のテロを予防することしかできないため、常に不利だ。また、テロが起きた国は不安定化するので、アメリカの勝利が遠ざかることになる。
このゲームの解釈で言えば、人質もテロで、「身代金が入ってくればラッキー」「支払われなくとも有名になって寄付金が増えるからOK」ということなのだろう。さらに言えば、アメリカや国際社会の世論がどうであれ、「テロを行うことに意義がある」のだから、全く恐ろしい。

「対テロ戦争」を行うのと併行して、アメリカは湾岸諸国とサウジアラビアの安定化を進める。同地には米軍が駐屯しているため、ジハーディスト側がテロリストを入れるのは難しい。
だが、そうしている間にパキスタンとシリアが「反米」になってしまう。一旦反米になると、国際援助を受け付けないため、原理主義国に近づいてしまう。さらにEUにもテロリストが潜入、次々とテロのプロットを試み、USはテロリストの割り出しを図るが、どちらも上手くゆかず、泥沼化。そうこうしているうちに、欧州世論が軟化、アメリカが強硬路線を突き進んでいるのに対して、国際世論が「対話路線」になって外交姿勢に差異が生じると、これまたイデオロギー戦争にマイナス修正が入ってしまう。

これを回避するためには、欧州諸国を説得して強硬路線に転じさせるか、アメリカ自身が外交姿勢を「ソフト」に転じる必要がある。今回はアメリカ自身の外交路線を転じることにした。そうしないと、アフガニスタンに展開させている米軍を他地域に送れないためだ。いまや新たなる危機はパキスタンと中央アジアになっている。また、アメリカの姿勢と国際世論の方向性が異なると米国の威信が上がりにくいという問題もある。

ところが、外交路線を転じた副作用として、我慢して少しずつ上げてきたアメリカの威信がまた低下、さらに副次イベントとして世界各地でテロリストが増え、テロが起きてしまう。全く米国大統領はゲームですら心臓がキリキリ痛む。俺にどうしろと言うのか!
もっとも、ジハーディスト側はテロやらジハードやらテロリスト勧誘やら色々やってはいるものの、ダイス目が悪い事もあって、今ひとつ決定打に欠ける。だが、アメリカも中東の安定化は進まず、テロ戦争はいたちごっこで、国際世論とも乖離し、常に後手後手に回って何も良いことが無い。

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最終的には、パキスタンは反米化した後、イスラム革命が起きて原理主義政権が樹立、ジハーディストが大量破壊兵器を手にし、その勢いであっという間にインドネシアにも原理主義国が樹立、5リソース分となってリーチが掛かった。
US側はさんざん苦労しながらも湾岸諸国とサウジアラビアを安定化させ(6リソース)、さらにヨルダンとアフガニスタンも安定一歩手前まで来ており(2リソース)、一方的に押されている展開ながらも踏ん張っていた。だが、「対話路線」故に原理主義国に対する侵攻作戦が行えず、方針転換する余裕は無かった。
ジハーディスト側はテロリストがすでに展開するソマリアかスーダンに政権を立てれば勝利という状況にあって、イベントで米国大統領選が行われて強硬路線の大統領が選出、国際世論との溝が深まり、さらに威信が暴落。ここで時間の都合もあり、投了することになった。
まぁ強硬路線に転じたのだから、インドネシアなりパキスタンに侵攻すれば、時間は稼げたのだろうが、いずれにしても泥沼化は避けられない情勢だった。

いや、13年間もこんなことを続けていながら何一つとして問題が解決していないのが良く分かる。日本の政治家も外交官も防衛官僚も一度本作をプレイすべきだ。
posted by ケン at 12:39| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする