2021年03月20日

3度目の臨時給付金を拠出へ

【給付金を調整へ ふたり親世帯にも】
新たな給付金を出す方向で、調整に入ったことがわかった。
政府はこれまで、所得の低いひとり親世帯に限り、臨時特別給付金を2回出したが、ふたり親世帯には出していなかった。
政府は、3回目の給付金を出す方向で検討しており、その際、所得の低い、ふたり親世帯にも、同じ金額を給付する方向。
給付金は1世帯5万円で、第2子以降は、1人あたり3万円ずつ加算される方向。
新年度を控え、「文房具が買えない世帯も多い」として、給付を求める声が上がっていた。
(3月11日、FNN系)

「文具も買えない」家庭の大半は「コロナ禍によって」買えなくなっているわけではないだろう。大阪のように学習支援金の受給率が25%にも達するところがあり、その割合はどこも増加傾向にあるのだから、構造的な貧困であって、臨時給付金を出せば解決する問題ではない。

給付額も非常に低く、行政コストばかりが増す構図も不安。
いずれにせよ、消費増税で回収される方向にあるが、自民党はその頃に立憲に政権を渡して増税だけやらせるつもりかもしれない(笑)

何度も述べているが、勤労世代が減少し、市場が縮小再生産していく中、法人税や所得税は税率を上げてみたところで効果は低く、消費税を中心とする間接税に依拠せざるを得ないだろう。
これは技術レベルの話であって、イデオロギーでバラマキを続ければ、旧ソ連と同じ道をたどることになるだろう。
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2021年03月19日

復興でインフラ維持費が肥大化

【復興インフラ維持管理費、年間131億円増…高台移転で】
 2万2000人を超す死者・行方不明者を出した東日本大震災から11日で10年となる。津波で被災した岩手、宮城、福島3県で行われた高台への集団移転は計約1万2500戸が対象となる大事業となった。しかし、宅地開発に伴って、インフラの新設を余儀なくされ、上下水道と道路の維持管理費は震災前より年間131億円(50%)増えた。人口減少が続く被災地では、費用の捻出が課題となる。
 読売新聞は1〜2月、3県の沿岸37市町村を取材、上下水道と道路の延長や維持管理費を震災前後で比較した。その結果、簡易水道を含む上水道が1081キロ(8%)、下水道が997キロ(10%)、市町村管理の道路が613キロ(3%)増えたことがわかった。三つの総延長は2691キロで、東京―グアム間を超える距離になる。
 被災地では地盤を高くし、現地再建する「かさ上げ」などの復興事業が行われた。高台移転は造成した住宅地へ水道管や道路をつなげる必要があり、距離が増えた。
 県別にみると、宮城県が上下水道、道路とも最も距離が伸びていた。高台や内陸に移転した地区は186で、岩手県の88、福島県の47より多かった。
 被災した上下水道管や道路の復旧費や新設費は、復興交付金などの国費で賄われた。一方、維持管理費は自治体の負担になる。
 上下水道と道路を40年後に更新した場合の費用を算出していた自治体は34市町村あり、その総額は2兆2305億円に上る。34市町村の2018年度予算の歳入額の合計(1兆9084億円)を上回る。人口減が続く被災地の自治体からは「市民税や固定資産税の収入が減り、新たな予算の確保は難しい」(岩手県大船渡市)との声が上がる。
 一方、東京電力福島第一原発事故の避難指示区域が残る福島県大熊町では、下水道管の93%にあたる65キロが休止になった。放射性物質で汚染された土砂を一時保管する中間貯蔵施設(約1600ヘクタール)が住宅地跡に建設されたためだ。
 自治体施設の維持管理に詳しい岩手大の南正昭教授(都市計画)は「この10年間は、街の生活機能を復活させる必要があった。今後はインフラ維持にかかる費用を下げる努力が自治体に求められる。中長期的に街の機能を集約することなども考えるべきだ」と話す。
(3月11日、読売新聞)

「復興、復興」と精神論が先行した結果、需要調査がないがしろにされ、高台宅地の造成ばかりが先行、実際にできてみると希望者は多くなく、新たに公共交通を敷設する必要も生じ、かつ記事のように上下水道や道路の維持費が膨大になってしまった。

もともと水道というのは都市インフラで、特に下水は維持が難しい。地方の場合、浄化槽のほうがはるかに効率的なのだが、地方住民は「田舎臭い」程度の印象論で反対する傾向にある。ところが、下水を整備してみると、維持費が膨大になり、「維持できないから、支援してくれ」などと国に泣きついてくるのが、私の秘書時代からよくあったことだった。

合理的に考えれば、震災が発生し、瓦解した地域は少子高齢化の傾向が強く、むしろこの機にリスクやコストの高い土地を破棄して、近くの都市部に集中するべきだった。
しかし、災害復興の美名の下、合理的な意見や考えは排除され、非合理的な政策が先行、今頃になってツケが回ってきている。
択捉や国後に移住する元住人すらもいないのに「北方領土を返せ!」という話にも通じるものがある。

一つにはやはり小選挙区制によって地域代表者が国会に送り込まれた結果、選挙も利益誘導の実現性を問うところとなり、「どれだけ国から予算をぶんどれるか」が選出基準となり、合理性を無視した復興計画の原因となっているのではなかろうか。
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2021年03月10日

野党がまたバラマキ提案

【生活困窮者への“10万円給付法案” 野党が国会提出】
 立憲民主党などの野党は、新型コロナウイルスの感染拡大で生活が苦しい人に対して1人あたり10万円の給付金を支給する法案を衆議院に提出しました。
 立憲民主党・長妻衆院議員:「(困窮者対策は)まだまだ不十分で感染も長引いておりますので、困窮者の皆様方を対象に10万円を支給すると。この法案は何としても必要だということです」
 法案では、住民税が課税されない低所得世帯のほか、新型コロナウイルスの影響で収入が大幅に減少し、生活の維持が困難となった個人事業主、フリーランスも対象とします。
 約2700万人が対象になると見込んでいて、2兆7000億円の経費は全額、国が負担するということです。
(3月1日、テレビ朝日)

一回きりの給付は緊急時には意味があっても、継続的な危機に対しては有効とは言えない。
コロナ禍はまだまだ継続すると見られるだけに、延々と給付を続ける必要がある。

いま必要なのは、生活保護の捕捉率(生活保護基準以下の世帯で、実際に生活保護を受給している世帯数の割合)をいかに上げていくかである。
日本の場合、この数字が2割前後で推移しており、それは現在でも変わりはない。
つまり、保護が必要な人の2割程度しか政府の制度的な困窮支援が得られていないことを示している。

ただでさえ高齢化で貧困層が増大傾向にある上、さらにコロナ禍で低所得層が打撃を受けている形になっているだけに、一時金ではどうにもならないだろう。
野党は「カネクバレ」のポピュリズムに走ることなく、制度整備こそ追求してほしい。
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2021年02月12日

世帯年収1200万円は高収入か?

【高収入世帯の児童手当廃止へ 待機児童解消の財源に、法案決定】
 政府は2日、一部の高収入世帯の児童手当を廃止する児童手当関連法改正案を閣議決定した。政府は待機児童を解消するため、2024年度末までに新たに14万人分の保育施設を確保する計画で、手当廃止で浮いた費用を財源に充てる。今国会での成立を目指し、22年10月支給分から適用する。廃止対象となる子どもは61万人。
 改正案では、子どもが2人いる会社員の夫と専業主婦の現行モデル世帯と同じ世帯で夫の年収が1200万円以上の場合、児童手当を廃止する。年収960万〜1200万円未満の場合は、引き続き月5千円を支払う。
(2月2日、共同通信)

「世帯年収1200万円」は、夫婦ともに大企業正社員あるいは残業の多い公務員であれば容易に実現するレベルであり、そもそも「高収入」と言えるのかどうか。
大手のテレビ、報道関係者であれば、比較的容易に年収1000万円以上になるだろう。
「世帯年収1200万円」が高く感じられるのは、所得の中間値が低下していることも大きい。1995年には550万円程度だったものが、今や420万円程度になっている。

高所得世帯への手当廃止で得られる財源は370億円であるが、毎年世帯年収を調べて選別する行政コストが差し引かれるだろう。

そして、「児童手当が支給されなくなった」中間層と「児童手当が支給される」低所得層の分断(怨嗟)が加速してゆく。
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2021年01月18日

焼け石に水の1床300万円

【病床補助、宣言対象外も上積み コロナ対応、1床300万円 厚労省】
 厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、病床を新たに確保する医療機関に対する補助について、緊急事態宣言の対象外の地域でも1床当たり300万円上積みする方針を明らかにした。
 菅義偉首相は7日、宣言が発令された東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で同450万円加算する方針を示しており、全国でコロナ患者受け入れの体制強化を急ぐ。 
(1月8日、時事通信)

すでに看護師を中心に医療従事者の離職が増加、病院は満床なのに赤字続出という有様で、

「1床増やしたら300万円あげちゃうから、どんどん増やしちゃってよ(キラッ)!」

という厚労省。頭の中がお花畑すぎる。
新型コロナの感染者を誰でも彼でも収容していればすぐにパンクするのは当然だろう。

無発症、軽症者にはGPSを付けて自宅療養を強制すれば済む話であり、そのための法整備期間は半年以上あったはずだ。
誤った認識の下で、誤った対応を行い、己の過ちを認めないがゆえに、負のスパイラルがさらに急加速していると言えよう。

日本の場合、中小の病院が多く、中小はコロナ患者を受け入れなるだけの設備が無いため、大病院に集中、破綻が始まるという構図もある。
公的機関が強制力を持ち、人員配置にも融通を効かせられる公的病院をことごとく民営化してしまったツケも回っている。
これは、小泉改革や維新を支持した国民による民主的選択の帰結でもある。
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2021年01月10日

対コロナ末期戦

【看護師7割超が精神的負担 北海道、ボーナス大幅減】
 北海道医療労働組合連合会(道医労連)は9日、加入する看護師305人への緊急アンケートで、新型コロナウイルス感染拡大で仕事に精神的負担を感じるとの回答が約73%だったと発表した。また、5日時点で、冬のボーナスは加入する医療機関など35施設中、16施設で減額となり、平均額は昨冬の約43万5千円から約4万6千円下がったと明らかにした。
 アンケートは11月16日から12月3日に文書で実施。精神的負担があるとした人の約35%は、自分や人への感染の不安を挙げた。
 また、回答者の約65%が身体的負担も訴え、うち約23%が人員不足を理由とした。賃金や労働条件への不満も全回答者の約54%が訴えた。
 北海道庁で記者会見した道医労連の鈴木緑執行委員長は「看護師の使命感だけに頼るのはもう限界だ。医療現場には赤信号がともっている」と声を詰まらせながら訴え、国や道に早急な支援を求めた。
(12月9日、産経新聞)

もう一ヶ月も前のネタになってしまうが。
その対応は、

・厚生労働省「広がれありがとうの輪プロジェクト」

・小池都知事「医療従事者へ感謝の手紙を」(小中学生に強要)

いよいよ末期戦。
日本の伝統的な「無能な指揮官と優秀な兵卒」が露わに。
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2021年01月06日

出生数85万人割れか?

【今年の出生数、85万人割れ見通し コロナで少子化加速】
 日本の少子化に歯止めがかからない。今年の出生数は昨年を約1万7千人下回り、85万人を割り込む見通しだ。統計を始めた1899年以降で最少となる。新型コロナウイルスへの感染が拡大する中、妊娠の届け出件数は前年を下回って推移しており、来年の出生数は80万人を割り込むとの見方も出ている。
 今年1〜10月の出生数(速報値)は、前年同時期を約1万7千人(2・3%)下回って推移している。厚生労働省は10月までの出生数のほか、死亡、婚姻、離婚の届け出数などをもとに、年末にその年の人口や出生数などの推計を公表している。今年は「新型コロナの影響で不確定要素が多い」として公表を見送ったが、出生数について例年の計算式に基づいて推計すると、今年は前年比2%減の84万8千人程度になる。初めて90万人を下回って「ショック」と言われた昨年の86万5239人からもう一段、落ち込む公算が大きい。
 国内の出生数は、第2次ベビーブームの70年代前半以降は減少傾向が続き、16年に戦後初めて100万人を割り込んだ。国立社会保障・人口問題研究所が17年に出した人口予測では、出生数の90万人割れは20年、84万人台になるのは23年と見込んでおり、想定を超える速度で少子化が進む。
(12月28日、朝日新聞)

戦後の日本は人口ボーナスと軍備・植民地の廃止で得た財政余剰を社会政策に充てることで経済成長を実現した。これに対し、21世紀は、人口オーナスとインフラ・福祉の膨大な維持コストによって経済を縮小再生産させている。

さらに、貧困や女性差別の放置によって、経済基盤そのものの停滞を招いている。低生産階層が一方的に増大しているのだから、経済規模も縮小再生産を免れない構造にある。

1964年の東京五輪と70年の大阪万博は巨大な投資となったが、2020年代のそれは巨大な浪費、負債となるだろう。
ソ連はモスクワ五輪を開催してから10年で崩壊したが、昭和帝政も非常に似かよった状態に置かれている。

【参考】
平等の価値について〜または社会主義者である理由
国家財政から見たデモクラシーの脆弱性について
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする