2021年01月18日

焼け石に水の1床300万円

【病床補助、宣言対象外も上積み コロナ対応、1床300万円 厚労省】
 厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、病床を新たに確保する医療機関に対する補助について、緊急事態宣言の対象外の地域でも1床当たり300万円上積みする方針を明らかにした。
 菅義偉首相は7日、宣言が発令された東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で同450万円加算する方針を示しており、全国でコロナ患者受け入れの体制強化を急ぐ。 
(1月8日、時事通信)

すでに看護師を中心に医療従事者の離職が増加、病院は満床なのに赤字続出という有様で、

「1床増やしたら300万円あげちゃうから、どんどん増やしちゃってよ(キラッ)!」

という厚労省。頭の中がお花畑すぎる。
新型コロナの感染者を誰でも彼でも収容していればすぐにパンクするのは当然だろう。

無発症、軽症者にはGPSを付けて自宅療養を強制すれば済む話であり、そのための法整備期間は半年以上あったはずだ。
誤った認識の下で、誤った対応を行い、己の過ちを認めないがゆえに、負のスパイラルがさらに急加速していると言えよう。

日本の場合、中小の病院が多く、中小はコロナ患者を受け入れなるだけの設備が無いため、大病院に集中、破綻が始まるという構図もある。
公的機関が強制力を持ち、人員配置にも融通を効かせられる公的病院をことごとく民営化してしまったツケも回っている。
これは、小泉改革や維新を支持した国民による民主的選択の帰結でもある。
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2021年01月10日

対コロナ末期戦

【看護師7割超が精神的負担 北海道、ボーナス大幅減】
 北海道医療労働組合連合会(道医労連)は9日、加入する看護師305人への緊急アンケートで、新型コロナウイルス感染拡大で仕事に精神的負担を感じるとの回答が約73%だったと発表した。また、5日時点で、冬のボーナスは加入する医療機関など35施設中、16施設で減額となり、平均額は昨冬の約43万5千円から約4万6千円下がったと明らかにした。
 アンケートは11月16日から12月3日に文書で実施。精神的負担があるとした人の約35%は、自分や人への感染の不安を挙げた。
 また、回答者の約65%が身体的負担も訴え、うち約23%が人員不足を理由とした。賃金や労働条件への不満も全回答者の約54%が訴えた。
 北海道庁で記者会見した道医労連の鈴木緑執行委員長は「看護師の使命感だけに頼るのはもう限界だ。医療現場には赤信号がともっている」と声を詰まらせながら訴え、国や道に早急な支援を求めた。
(12月9日、産経新聞)

もう一ヶ月も前のネタになってしまうが。
その対応は、

・厚生労働省「広がれありがとうの輪プロジェクト」

・小池都知事「医療従事者へ感謝の手紙を」(小中学生に強要)

いよいよ末期戦。
日本の伝統的な「無能な指揮官と優秀な兵卒」が露わに。
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2021年01月06日

出生数85万人割れか?

【今年の出生数、85万人割れ見通し コロナで少子化加速】
 日本の少子化に歯止めがかからない。今年の出生数は昨年を約1万7千人下回り、85万人を割り込む見通しだ。統計を始めた1899年以降で最少となる。新型コロナウイルスへの感染が拡大する中、妊娠の届け出件数は前年を下回って推移しており、来年の出生数は80万人を割り込むとの見方も出ている。
 今年1〜10月の出生数(速報値)は、前年同時期を約1万7千人(2・3%)下回って推移している。厚生労働省は10月までの出生数のほか、死亡、婚姻、離婚の届け出数などをもとに、年末にその年の人口や出生数などの推計を公表している。今年は「新型コロナの影響で不確定要素が多い」として公表を見送ったが、出生数について例年の計算式に基づいて推計すると、今年は前年比2%減の84万8千人程度になる。初めて90万人を下回って「ショック」と言われた昨年の86万5239人からもう一段、落ち込む公算が大きい。
 国内の出生数は、第2次ベビーブームの70年代前半以降は減少傾向が続き、16年に戦後初めて100万人を割り込んだ。国立社会保障・人口問題研究所が17年に出した人口予測では、出生数の90万人割れは20年、84万人台になるのは23年と見込んでおり、想定を超える速度で少子化が進む。
(12月28日、朝日新聞)

戦後の日本は人口ボーナスと軍備・植民地の廃止で得た財政余剰を社会政策に充てることで経済成長を実現した。これに対し、21世紀は、人口オーナスとインフラ・福祉の膨大な維持コストによって経済を縮小再生産させている。

さらに、貧困や女性差別の放置によって、経済基盤そのものの停滞を招いている。低生産階層が一方的に増大しているのだから、経済規模も縮小再生産を免れない構造にある。

1964年の東京五輪と70年の大阪万博は巨大な投資となったが、2020年代のそれは巨大な浪費、負債となるだろう。
ソ連はモスクワ五輪を開催してから10年で崩壊したが、昭和帝政も非常に似かよった状態に置かれている。

【参考】
平等の価値について〜または社会主義者である理由
国家財政から見たデモクラシーの脆弱性について
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2020年12月26日

国債依存度が6割突破

【国債依存度が6割突破 コロナで歳出膨張止まらず】
 政府の2020年度の一般会計歳出は、3度の補正予算編成に伴い総額175兆円超と空前の規模に膨らむ。
 新型コロナウイルスの影響で税収が落ち込むため、歳入に占める国債依存度は初めて60%を突破。財政は異常事態だが、コロナ感染の「第3波」が続く中で政府・与党の危機感は乏しく、歳出増加の圧力は緩みそうにない。
 国債依存度は近年30%台で推移してきたが、20年度は2次補正後で56.3%と、リーマン・ショック後の09年度決算(51.5%)を上回り過去最高を更新。3次補正後はさらに64.1%まで上昇する。
 20年度の国債発行額は、前年度の3倍超の112兆5539億円に達する。赤字国債だけで約90兆円と、例年の一般会計の予算総額に迫る水準だ。しかし、与党内では「今は出し惜しみをする時期ではない」(自民党中堅議員)と積極財政を支持する声が目立つ。
 21日に閣議決定する21年度予算案では、国会の議決がなくても政府の判断で使用できる予備費を5兆円確保する予定。柔軟にコロナ対策を行う狙いがあるが、巨額予備費は財政規律の緩みを加速させかねない。
 21年度予算案の歳出規模は、過去最大だった20年度当初予算(102兆6580億円)を上回ることが確実。予算を査定する財務省は「思い切った歳出を求める声が予想以上に強い」(幹部)と頭を痛めている。
 20年度の債務償還や利払いに充てる国債費は3次補正後で23兆246億円と、当初段階から3269億円減少した。日銀の異次元緩和による金利低下の恩恵を受けた格好だ。しかし、財政が一段と悪化して国債の格付けが引き下げられれば、金利上昇を招く可能性も否定できない。
 東短リサーチの加藤出社長は「超低金利の長期化により、日本中で財政感覚のまひが起きている」と指摘し、「借金を増やしていくとどこかで限界を迎える」と警鐘を鳴らしている。 
(12月16日、時事通信)

色々な「仕方ない」を積み重ねていくとこうなるわけで。
戦争しているわけじゃないから、他国に迷惑をかけないだけマシではあるが、いつかはツケの支払いが回ってくるのも事実。
信用貨幣だから、みなが「大丈夫」と思っているうちは大丈夫かもしれないが、誰かが「もうダメだ。さっさと全部返せ」と言い出した瞬間に突然破綻が訪れる可能性がある。
「財政感覚のまひ」とは「借金のまひ」のことで、借金はすればするほど金銭感覚が麻痺してくるわけで、それは一国の財政も変わらない。

「コロナ禍だから仕方ない」は是としても、「東京五輪だから仕方ない」は否であると認められないことが、麻痺を加速させる。
「五輪だけダメなのはおかしいじゃねぇか」という理屈に反論できるものがいないため、財政感覚の麻痺が拡大する。
本来、議会制民主主義では野党が非を咎める役割を果たす制度設計になっているが、現代の議会ではその役割が十分に果たされなくなっている。
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2020年12月19日

医療崩壊は政策無策に起因

【旭川市に自衛隊派遣要請の北海道知事「猶予できない事態」】
 北海道旭川市で新型コロナウイルス感染が急拡大している事態を受け、鈴木直道知事は8日、自衛隊に同市への看護官派遣を要請し、「国内最大規模のクラスター(感染者集団)となるなど猶予できない事態」とするコメントを発表した。看護官約10人が約2週間、吉田病院と重症心身障害児(者)施設「北海道療育園」に派遣される。
 道によると、国と道はこれまでに医師や看護師延べ約300人を同市に派遣してきたが、医療体制の逼迫(ひっぱく)度が高まり、道と市は体制の改善が必要との認識で一致したとしている。
 一方、同市の旭川赤十字病院は8日、同院で5日に出産した30代女性の陽性が判明したと発表した。新生児は陰性。同院は出産業務を当面停止し、旭川医大と市立旭川病院に引き継ぐ。
(12月8日、毎日新聞)

公式発表的では、「国と道はこれまでに医師や看護師延べ約300人を同市に派遣してきた」とのことだが、同8日の市立旭川病院院長の話では、「入院患者32人に対し看護師3人」という、「○○決戦」の様相を呈している。大本営発表と、最前線の実感はそれくらいに異なるものなのだ。

「自衛官派遣」も同様で、「自衛隊を派遣する」ことばかりが喧伝されているが、実際の数字は「看護官約10人」で、「いないよりはマシ」としても穴埋めにはならないだろう。

こうした医療崩壊が起こるのは、病院内でコロナ感染者が発生し、そのたびにスタッフが隔離され、隔離されたスタッフが高確率で「フェード・アウト」(辞職)してしまうためだ。
隔離されたものは、周囲から差別され、子どもを保育所に預けることもできず(保育所が拒否)、買い物にも難儀することになる。
本人が職場復帰を望んでも、家族から反対され、断念するケースも多いらしい。
フェード・アウトするスタッフが増えると、残ったスタッフにかかる負担が増え、体調を崩すものが増加、離職につながっている。

こうした過酷な労働環境に対し、日本の場合は相応の待遇が保証されておらず、それが離職者を増やす原因になっている。
医療に自由競争を適用している米国では、派遣看護師の給与は「週100万円」にまで上がっているとされる。つまり、それくらい需要(価値)が高まっているのだが、日本では逆にボーナスが出なかったり、給与が下がってしまっている。
これでは、「コロナが落ち着くまで休職して、後のことは後で考えよう」となるのが合理的となる。

「医療関係者に感謝の気持を」などと言っているだけの日本は、「竹槍でB29を!」と言ってた75年前から一歩も進化していない。
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2020年12月12日

後期高齢者負担増は先送り?

【窓口負担上げ、対象明示せず 後期高齢者医療で提言案 自民】
 自民党は1日、全世代型社会保障について議論する「人生100年時代戦略本部」(本部長・下村博文政調会長)の会合で、政府への提言案を議論した。
 75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担の2割への引き上げに関しては、具体的な対象範囲を明示せず、現役世代の負担抑制や高齢者の受診行動への影響などを「総合的に勘案し、一定所得以上の人に限って引き上げるべきだ」とするにとどめた。
 会合では、高齢者の受診控えにつながるなどとし、対象絞り込みや結論そのものの先送りを求める意見が続出。一方、後期高齢者医療の支援金を拠出する現役世代の負担を考慮し、幅広く2割に引き上げるべきだとの声も上がり、最終的に下村氏に対応を一任した。 
(12月1日、時事通信)

後期高齢者医療制度の歳入を見た場合、概ね自己負担10%、保険料10%、公費40%、後期高齢者支援金(74歳以下の保険収入からの移転)40%となっている。
今後、高齢者がさらに増え、労働人口が減少していく中で、選択肢は公費負担を増やす(消費税を上げる)か、窓口負担を増やすしかない。

選択肢が限られているのだから、状況が悪化する前にさっさと決めるべきだが、デモクラシー下で高齢者層の主権が相対的に強まっており、「(選挙に負けちゃうから)選択できない」という事態になっている。
一体何のための自民独裁なのか。やはりKM党がガンなのか。

最終的には、負担増は行うが、色々条件付ける形になりそうで、実質骨抜きなのかと。
いずれにせよ、複雑怪奇な制度設計は行政効率を下げるだけであり、貧困者支援と医療費の自己負担は分けて考え、一律二割にすべきである。
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2020年11月17日

カネが無いからカネよこせと知事会

【地方交付金、6134億円不足 財政厳しく、危機感強まる】
 全国知事会は5日、自治体が新型コロナウイルス対策に充てる総額3兆円の地方創生臨時交付金に関し、47都道府県の不足額が計6134億円に上るとの調査結果を公表した。このうち16自治体は不足額が100億円を超える見込みで、47知事全員が本年度内の増額と来年度以降の交付継続を求めた。感染再拡大が懸念される中、厳しさを増す自治体財政への危機感が浮き彫りになった。知事会は今後、本年度予算の予備費活用も含めた交付金の増額を政府に強く求めていく方針だ。10月1日時点で臨時交付金の使い道や今後の見通しを聞いた。
(11月5日、共同通信)

全国の知事が集まって、政府に何を提言するかと思えば、「カネが無いからカネよこせ」という話だった。
これではラインハルト様でなくとも、「私が魔法の壺を持っていて、そこから艦隊が湧き出てくるとでも奴は思っているのか?」 と思うことだろう。。。

と思いきや、ヤフーのコメント欄には、「国債発行すればいいじゃん」「国が通貨をどんどん発行すればいいだけ」「まず職員と議員を減らせ」のオンパレードだった。
前二者はいま流行のMMT(現代貨幣論)の影響かも知れないが、それが正しければソ連も東欧も崩壊して冷戦が終焉することは無かっただろう。
こう言うと、「ソ連は固定相場制だったからだ」と返ってきそうだが、究極的には貨幣は空想上の信頼の上に成り立っているもので、皆が「その貨幣に記載された分の価値がある」と思っていることが前提になっている。
同様の例を挙げるなら、アジア太平洋戦争でも帝国政府が貨幣を発行し続ける限り、戦えたのだろうか。あるいは日本が負けたのは、「海上封鎖されて商品が入ってこなかったから」だけなのだろうか。
さらに言えば、中国の国民政府は法幣を刷れるだけ刷った。日中戦争直前の1937年7月の発行額は14.4億元だったものは、45年8月には5569億元に達していた。物資は不足がちとは言え、米英ソから流入しており、終戦直前の日本よりは良好だったはずだ。もっとも、終戦後、米英の援助が停止して、国共内戦が始めると、1948年8月までに発行高は604兆元を超えるに至り、あっという間に紙くず以下となった。

話を戻そう。
ここまで市場が落ち込んでいるにもかかわらず、日本円が健闘を見せているのは、「内戦寸前の米ドルやコロナ禍と民族対立がヤバいユーロよりはマシ」という国際評価があるからで、中国が日本国債を買うのも同じ理由だろう。
しかし、日本は日本で災害大国であり、そんな「信用」は首都直下型地震一つで吹き飛んでしまう。大地震が起きれば、またぞろ国債発行で凌ぐ話となり、災害と疫病が頻発する一方で、対中・対ロの防衛費を増額し続ければ、蒋介石のことなど笑えないだろう。

なお、「議員報酬を減らせ」だが、2019年の参議院の調査によると、地方議員の平均月額報酬は21.4万円に過ぎない。但し、政令市や特別区になると60〜80万円あり、むしろ議員報酬の格差と、農村部における議員のなり手不足が問題になっている。

ケン先生はすでに中国に亡命拠点を構えており、コロナ禍を除いて生活も安定してきているので、日本・菅政権には是非ともMMTを実験してもらいたいw
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする