【日経平均が連日のバブル崩壊後高値を更新、90年8月以来の水準】
16日の東京株式市場で、日経平均株価は連日のバブル崩壊後高値を更新。一時170円超高となり、3万0257円84銭の高値を付けた。取引時間中として1990年8月以来の高水準での推移となっている。
(2月16日、ロイター)
金融超緩和によって過剰な通貨が流通しているにもかかわらず、少子化、国家衰退、コロナ禍などの理由から実体経済への投資は回避され、余剰マネーが株に集中している形になっている。
それも投機対象となった銘柄は上昇する一方で、実体経済を支えている基幹産業は概ね低迷している。
銀行は銀行で、政府の指示でコロナ対策の一環としてリスクの高い地場産業への融資を余儀なくされる一方で、それ以外の案件については貸し渋りや借り換え拒否が増えているという。
銀行側からすれば、政府からリスクを強制されている以上、どこかでバランス(帳尻合わせともいう)を取らざるを得ないが、それが金融市場のバランスを危険なものにしている。
大都市部の不動産価格は今のところ維持されているが、東京五輪や2025年問題(東京の人口が減少に転じる)など、暴落リスクはいくらでも見つけられる。
住宅ローンを抱える勤労世帯は4割を超えており、一度雇用崩壊が起これば、2008年にアメリカで発生したサブプライム住宅ローン危機と似たような状況になるだろう。住宅ローンの貸出残高は、この40年間で10倍を超え、500兆円を上回るという。
日本の住宅価格は、平均で年収の約5倍で、アメリカの約3倍を大きく上回っているが、これはそれだけ「誰でも家が買えるけど、みんな借金漬け」であることを示している。日本人の4割以上は「ただ借金を返すためだけに働いている」と言っても過言ではないが、これは自民党政権、昭和帝政が推進した政策だった。
すでに個人レベルではコロナ禍による住宅の売却が始まっているが、かろうじて不動産価格が維持されているのは、不動産業界が団結して「投げ売り」を抑制しているためらしい。要は個人的には市場価格を下回る価格で売りたいものが増えているのだが、不動産屋が「売ってくれない」ということらしい。
1980年代のバブルは過去最高値をつけた次の瞬間に弾けたことを忘れてはならない。