2020年04月01日

商品券は業界利権

【麻生大臣「現金の一律給付」に否定的な考え示す】
 麻生財務大臣は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた追加の経済対策で、国民に一律で現金を給付する案が浮上していることについて、「今はまだ考えていない」と改めて否定的な見解を示しました。
 「一律でやった場合、現金でやった場合は、それが貯金に回らず、投資に回るという保証は?」(麻生太郎財務相)
 麻生大臣は24日の会見でこのように述べ、追加の経済対策で現金を一律で給付する案が浮上していることについて、「今はまだ考えていない」と改めて否定的な見解を示しました。
 また、「今は銀行などにお金が余っているが、それが動かないのが問題」と指摘したうえで、「商品券などは貯金にお金がいかない」として、効果的な経済対策の重要性を強調しました。
(3月25日、TBS系)

世界的には10万円規模の現金給付が主流となっている中、日本では1、2万円程度の商品券が検討されている。
「景気対策」を謳いつつ、何かというと商品券になるのは、「現金だと消費されずに貯金に回される」というもっともらしい説明がなされるものの、本当の理由は利権である。
自民党の支持母体である小売団体、KM党(SG)の支持基盤である小売業者、国民民主党の支持母体であるUAゼンセン(小売組合)などがこぞって「現金ではなく商品券を」と訴えていることが大きい。また、実際に商品券を印刷する利権についても、KM党が握っている部分が大きいとされる。

だが、現実には無制限の現金であれば五月にも給付可能であるが、商品券にした途端に「最短で七月」になり、所得制限をかけると「九月以降」になるという。これでは全く緊急対策にならない。四月には少なくない非正規労働者が無収入になるのだから、「五月の支給」こそが命綱であるはずだ。
しかも、所得制限は前年度の納税額によって決定されるため、現在の雇用状態などは反映されない可能性もある。

凄まじいことに「商品券」となった瞬間に業界団体が蠢動し、「旅行券」(二階幹事長、旅行・宿泊団体)や「和牛券」(自民党農水族)などという声が上がっている。
日本の全従業員の約4割が非正規雇用で、その大半が仕事を失いつつある中、霞が関や永田町では「何の商品券にするか」で大騒ぎしているのだ。

私の業界で言えば、すでに非正規教員は3月も4月も仕事がなく、無収入になっている。
戦後民主主義と昭和帝政はもはや本来の政治機能を失っていると言えよう。

【追記】
「現金は貯蓄に回される」云々は1%以下の富裕層にしか適用できないだろう。仮に一時的に貯蓄する人がいても、中長期的に不況が続いた場合、貯蓄を取り崩すほか無いのだから、「いつ使うか」という話でしかない。利権にまみれた自民党議員や官僚が政策を作るから、自分を想定して「自分がもらっても」という発想になるのだろう。
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2020年03月29日

Netflixさん、応援してます!

【ネットフリックス、収入減の俳優スタッフに110億円基金 新型肺炎対策】
 動画配信大手ネットフリックス(Netflix)は20日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入減に陥っている俳優や制作スタッフを支援するため、1億ドル(約110億円)の基金を立ち上げた。同社のテッド・サランドス(Ted Sarandos)最高コンテンツ責任者(CCO)は、「世界的にほぼすべてのテレビ番組や映画の制作が中止になっており、大勢の制作スタッフや俳優が職を失った」とネット上に投稿。「そうしたスタッフには電気技師、大道具、運転手、ヘアメークアーティストなども含まれ、その多くは時給制でプロジェクトごとに働いている」と述べた。
(AFP、3月21日)

ネフリさん、応援してます。
地上波なんてもう要らねぇんじゃね。
アニメーターの労働環境改善のためにも地上波の否定と配信拡散を進める必要がある。
ついでに、「トロツキー」の他に「ゾルゲ」も放映してくれたら、もっといいけど。
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2020年03月12日

新型肺炎でフリーの音楽家・俳優も生活危機に

【フリー音楽家ら、6割超が10万円以上減収 新型コロナ】
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けたコンサートや舞台の相次ぐ中止で、フリーの音楽家や舞台関係者の生活が脅かされている。クラシック音楽などの公演を手掛けるNPO法人、日本伝統文化交流協会(東京・中野)が音楽家ら千人以上に実施したアンケート調査によると、6割以上の人が3月だけで10万円以上の収入減になる見込みだと回答した。調査は4日から、同協会がSNSなどを通じて実施。声楽家、ピアニスト、指揮者といった音楽家や俳優、ダンサー、音響などの舞台スタッフら約1120人から回答を得た(5日午後3時時点)。
 調査によると、3月分の収入が予定通りの人はわずかで、9割以上が減収になるとみている。減少額は5万〜10万円が17.9%で最も多く、20万〜30万円が11.4%、30万〜50万円も10.6%いた。3月の生活費を「収入で賄える」との答えは13.9%だけで「不足分は貯蓄を取り崩す」と答えた人が65.1%にのぼった。収入と貯蓄では不足分を補えず借金する予定の人も16.8%いる。3月中に関わる予定だったが中止となった公演数を聞いたところ、5回以上が38.4%に達した。1回が15.3%、2回が21.9%だった。 
 中止・延期が現在のペースで続いた場合の影響を尋ねたところ、「3月まで生活を現状維持できる」が24.2%、「4月まで」が34.8%と約6割を占める。「7月以降も現状維持できる」とした人はわずか9.9%で、台所事情は切羽詰まってきている。同協会によると、回答者の約8割が特定の事務所や楽団などに所属せずに活動するフリーランス。年収が400万円未満の人が全体の約6割を占めるという。著名音楽家や主役級の俳優たちが急場をしのげても、彼らを支える中堅以下の出演者やスタッフらがいなければ興行は成り立たなくなる。
 調査を担当したグロービス経営大学院准教授で、声楽家としても活動する武井涼子氏は「新型ウイルスの影響が長引けば、芸術活動だけでは暮らしが成り立たない人が増える。芸術家にとって危機的状況だ」と話している。
(3月7日、日本経済新聞)

公共団体、文教分野と並んで芸術もまた非正規化や経費削減が著しかった分野。非正規労働者というのは、「自由な働き方」の美名の下で、社会保障を始めとする公的補償から疎外された労働者であることが、ようやく露呈しつつある。

例えば陸軍第四師団軍楽隊を前身とする大阪市音楽団は、橋下市政下で民営化された結果、賃金は「初任基本給14万円」まで低下した。さらに多くの団員が退団あるいは転職し、不足分の多くは臨時雇いでカバーされている。
東京都交響楽団も石原都政下で民営化されそうになったものの、ギリギリのところで回避された。しかし、補助金は大幅に削減され、都が審査するという「能力給」が導入され、団員の給与は平均で3分の2以下になったという。さらに新規雇用も抑制され、臨時雇いの占める割合が増えた。都響は今日も民営化の対象となり続けており、予断許さない状況にある。

景気の良い時は良いが、景気が悪化すると、真っ先に削減されるのが文化予算と文教予算である。
特に日本の場合、文化を公共財として考える伝統が薄いだけに、容易に「文化=贅沢」と糾弾される土壌がある。

安倍政権はフリーランサーや非正規労働者を対象に「10万円の貸し出し」を「支援」として表明したが、貧困層の負債を増やすだけで、状況は今後さらに悪化していきそうだ。
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2020年01月29日

すかいらーくグループが24時間営業を全店廃止

【すかいらーくグループが24時間営業を全店廃止 働き方改革の一環で】
 働き方改革の一環で、すかいらーくグループがすべての店舗で24時間営業をやめることがFNNの取材で分かった。
「ガスト」や「バーミヤン」などを展開する、すかいらーくホールディングスは全国約3200 店舗のうち約150店舗で24時間営業を行っているが、1月から順次営業時間を短縮し、4月までにすべての店舗で廃止する。
また、24時間営業店舗を含む約560店舗で深夜営業時間を短縮する。
 すかいらーくは1972年に24時間営業を始めたが、深夜の利用客が減少したことや従業員の働き方が変化したことなどから、2012年以降営業時間の見直しをはかっていた。すべての店舗で24時間営業を廃止することで、従業員の健康に配慮した職場作りや、女性やシニアなどの雇用の充実につなげたいとしている。24時間営業をめぐっては「ロイヤルホスト」が2017年に全店で廃止しているほか、「デニーズ」も縮小傾向にあるなど、働き方改革や時代のニーズに合わせ、営業時間が短縮している。
(FNN、1月20日)

これは良い傾向。
コンビニの24時間営業が廃止されれば、さらに大きく変化しそうなのだが。
こういうところから着実に変えていくことが望ましい。
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2020年01月06日

賭博を禁止する中国から緩和する日本へ

【中国企業側「賄賂の金必要」 秋元司氏への現金の狙いか】
 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48)に賄賂を渡したとして逮捕された中国企業「500ドットコム」の副社長を名乗る鄭希容疑者(37)が、本社に対して「賄賂のための金が必要だ」と伝えていたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部はこのやりとりが記録された電子データを押収。秋元議員に渡ったとされる現金が賄賂だったことを示す重要な証拠とみて調べている。
 秋元議員は2017年9月28日、IR事業で有利な取り計らいを受けたいとの趣旨を知りながら、衆院議員会館の事務所で「500」社顧問の紺野昌彦容疑者(48)らから現金300万円を受け取ったほか、翌年2月の北海道への家族旅行の旅費計約70万円を負担してもらった疑いがある。
 オンラインカジノなどを手がけてきた同社は17年7月に日本法人を設立。8月に那覇市で開いたIR関連のシンポジウムで秋元議員に講演してもらい、同議員と接点を持った。秋元議員はシンポから3日後にIR担当の内閣府副大臣に就任。現金300万円が渡されたのは翌月だった。
 贈賄容疑で逮捕された3人のうち、鄭容疑者が広東省・深圳の本社との連絡役を担当。日本でのIR参入に向けた活動について本社側に相談していた。秋元議員に働きかける方策などを話し合う中で、「賄賂のための金が必要だ」などと説明していたという。
(12月29日、朝日新聞)

中国で(恐らく当局者から)聞いた話によれば、元々民間宝くじや懸賞くじなどの事業を担っていた事業者が、昨今の共産党による統制(風紀)強化によって次々と事業廃止に追い込まれたため、必死に海外に「出口」を求めているのだろう、とのこと。

中国で緩和された賭博規制が再び厳格化される一方、賭博罪がありながら「公営賭博は賭博じゃない」「パチンコはゲーム」「IRは公設民営だからOK」とザルのように解禁してしまう日本。

挙げ句の果てに外国企業から国会議員が300万円で買収されるとか、これも「魚は頭から腐る」を象徴する事件。
賭博を解禁したいなら刑法185条などを廃止すれば良いだけなのに、「抜け道」ばかり作り続けた結果、「抜け道」ごとに腐敗の温床(許可と規制と天下り)が増殖していった。
これも公営賭博を認めた結果、官僚(天下り先)も自民党(献金)も社会党(労組)も全てズブズブの関係になってしまったことに端を発している。

もちろん中国でもマカオや香港にカジノはあるし、宝くじのようなものはあるし、闇賭博も盛んだが、賭博罪があるのに、そこらじゅうにパチンコ屋と競馬・競輪場がある日本と比べると、はるかに健全な気がする。やはり賭博は基本的に禁止して、官憲に「獲物」を与えて取り締まらせるくらいがちょうど良いのではないだろうか。

【参考】
カジノ法という焦土政策
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2019年10月21日

効率と形式主義

【室温設定25度で 職員の8割強「効率上がった」】
 兵庫県姫路市は7日、市役所本庁舎で冷房時の室内温度を25度に設定した7〜8月、総残業時間が14・3%減少したと発表した。清元秀泰市長が定例会見で明らかにした。職員アンケートでも85%が「業務効率が向上した」と回答。働き方改革への効果があったとして来夏も実証実験を続けるという。
 環境省は冷房時の室温目安を28度とし、全国の自治体も準じている。姫路市は「室温が25度から28度に上がると作業効率が6%低下する」との専門家の分析を基に、7月16日〜8月31日、室温を25度にして職員の労働環境への影響を調べた。
 同市人事課によると、前年7〜8月との比較で職員1人当たりの月平均残業時間が21・6時間から18・7時間に減った。業務効率を選択肢で尋ねたアンケートでも、「とても向上した」と「少し向上した」とで計85%を占めた。
 光熱費は前年から約7万円増えたが、残業時間減少で人件費は約4千万円削減された。清元市長は「経済効率が高いことも裏付けられた」とする。温室効果ガスの排出量も微増にとどまったという。
 同市は、気候や業務量の変動を踏まえ、来夏も実証実験として継続し、データを積み重ねる方針。出張所や衛生センターなどの出先機関にも対象施設を広げるという。
(10月8日、神戸新聞)

これこそ真の効率化であろう。
もともと「室温28度設定」は、労働安全衛生法「事務所衛生基準規則」第5条第3項の、
事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。

を根拠に、環境省が「目安」として挙げてしまったことに由来している。
この他に、クールビズ導入時における調査で、オフィスの平均気温が26度という結果が出て、「ネクタイを外せば、あと2度は上げても体感温度的に耐えられる(だろう)」という判断もあったという。

その結果、「目安」であるはずの環境省指針は金科玉条となって、日本全体を席巻、特に自治体では「御上の指令」とばかりに強制的にエアコンの室温設定を28度にしてしまった。その後、さらに悪化して、定時になると自動的にエアコンを切るといったことまで横行して、今日に至っている。

エアコンの件はほんの一例に過ぎず、日本社会全体がこうした硬直的な上意下達の仕組みに支配され、個々の判断が許されなくなってきている。これも日本社会が衰退する大きな要因と言えよう。
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2019年10月17日

外国人奴隷契約が明るみに

【技能実習生、失踪したら賠償金 日本の監理団体が裏契約】
 外国人の技能実習制度をめぐり、受け入れを担う日本側の監理団体がベトナムの送り出し機関との間で、実習生が失踪したら賠償金を支払わせるなどの裏契約を交わしていたことが法務省関係者への取材でわかった。出入国在留管理庁と厚生労働省は、不適切な報酬の受け取りを禁じる技能実習適正化法に違反したとして、千葉、埼玉両県の二つの監理団体の運営許可を近く取り消す。
 入管庁は、賠償金などの原資は実習生が応募する際に送り出し機関に支払う費用に上乗せされる仕組みだったとみている。監理団体は9月末時点で全国に2700ある。今回の不正は実習生の入国前に発覚したが、同庁はこうした不正が横行している可能性があるとみて調査する。
 関係者によると、千葉県の監理団体は昨年7月、ベトナムの送り出し機関と契約を締結。同時に「覚書」とした裏契約を交わし、実習生が1年目に失踪したら30万円、2年目以降は20万円の賠償金を受け取れるとした。正規の契約では、実習生1人あたり1万5千円を送り出し機関に支払うことになっていた講習委託の手数料も、無料とする取り決めもしていた。
(10月8日、朝日新聞)

外国人実習生の受け入れ団体と海外にある送り出し機関が談合して奴隷契約を結んでいるという話は昔からあったが、国が認めた例は覚えが無い。

「奴隷が逃亡したら、奴隷商人が賠償金を払う」

など、完全に奴隷売買でしか無い。
霞が関幹部に言わせると、「日本は世界一の人権大国」らしいが、「奴隷には人権が無い」という前提なのだろう。いっそ霞が関官僚を「輸出」してしまえば良いのでは無かろうか。

何度も言っていることだが、外国人実習制度は地方に行くほど、「地方産業の保護」を名目に、地場産業と県会議員と警察や司法機関が結託して、存在の隠蔽を図るため、どのような不正が起こってもまず明るみに出ることは無い暗黒なのだ。
旧民主党ですら、県会議員や市会議員を通じて「外国人奴隷を買いたいのだが」旨の相談が来るくらいなのだから、その感染力たるや、野党にまで及んでいる。

制度そのものが邪悪なのであり、「不正」を前提とした制度設計なのだから、「不正」などと言うこと自体が妄言なのである。
外国人奴隷制度は即時廃止しかない。
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