2018年01月20日

ウナギはいよいよ絶滅か

【ウナギ稚魚、極度の不漁=過去最低更新の恐れ】
 絶滅の恐れがあるニホンウナギの稚魚シラスウナギが極度の不漁となっている。 水産庁によると、昨年12月の国内漁獲量は約0.2トンで、前年同月実績を大幅に下回ったようだ。今後も不漁が続けば、2018年漁期(17年12月〜18年4月)は過去最低の5.2トンだった13年漁期を下回る恐れがあり、養殖業者らは危機感を強めている。国内のシラスウナギ漁は鹿児島、宮崎、静岡など24都府県で行われている。鹿児島では18年漁が解禁された昨年12月10日以降の15日間で0.5キロと前年同期の1%程度しか取れず、「1月に入ってもかなり少ない状況」(県資源管理課)という。 
(1月17日、時事通信)

この記事からして突っ込みどころ満載。
「絶滅の恐れ」のあるウナギが「極度の不漁」とか、そもそも何言っちゃってるの?
これまでも散々絶滅する恐れが指摘されてきたにもかかわらず、漁獲制限を設けてこなかった結果であり、絶滅の危機に瀕してからもなお採り続けたのだから、当然の帰結では無いか。
一々コメントする気も失せるが、「バカに付ける薬は無い」とはまさにこのことだろう。やはり一回滅びないとダメなのかもしれない。
posted by ケン at 13:00| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月11日

立民いっちまったな:またも公務員給与削減

公務員の労働基本権を回復し、労働条件を交渉で決める仕組みを構築するとともに、職員団体などとの協議・合意を前提として、人件費削減を目指します。
(1月8日、立憲民主党公式ツイッターより)

国家公務員の給与水準は20年前の1990年代後半とほぼ同水準にある。2000年初頭に向上したものの、同後半から低下、大震災で切り下げられて、ようやく元の水準に戻された感じ。20年間も給与水準が上がらないこと自体、日本の経済成長が低迷し、労働生産性が向上していないことを示している。もっとも、民間の給与水準は同年比で9割に低下しているので、「民間に比べれば優遇されている」との批判は的を射てはいるが、経済成長が無い中で低い方に合わせたら、水はより低きに流れることだろう。

これを言った場合、恐らく党からの反論は「公務員の給与を減らすのでは無い。業務を効率化させて、人件費を抑制するのだ」というものが考えられるが、それを行った結果、低賃金の非正規公務員が溢れかえり、むしろ貧富と身分の相対的格差を助長させると同時に、行政サービスの質的低下を促進してしまった。
しかも、労働基本権を認めるのに、人件費を下げるということは、労使交渉で妥協するつもりは全く無いことを宣言してしまっている。

つまり、立憲民主党の「公務員人件費削減」は、さらなる非正規化とサービスの質的低下を促進する宣言でもある。本音は「連合の支持は欠かせないが、公務員叩きの世論にも応えたい」というところなのだろう。
通常国会すら始まってないのにオワコンだな。
posted by ケン at 12:27| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月06日

労働生産性の低さが意味するもの

【日本の労働生産性 OECD35カ国中で20位】
 日本生産性本部は20日、2016年の労働生産性の国際比較を発表した。時間当たりの労働生産性(就業1時間あたりの付加価値)は、日本が前年比1.2%上昇の46ドルだった。国内総生産(GDP)が拡大した一方、1人当たりの労働時間が減少したためで、増加は7年連続となった。
 しかし経済協力開発機構(OECD)平均の51.9ドルは下回っており、加盟35カ国中の順位は20位で昨年と同じだった。先進7カ国(G7)でも最下位が続いている。
 1人当たりの年間の労働生産性は8万1777ドルで、OECDでの順位は昨年と同じ21位。3位の米国(12万2986ドル)の3分の2の水準にとどまっている。
 同本部では化学や機械などの分野で米国の生産性を上回るなど、製造業では競争力があるが、小売業や運輸業などサービス産業で米国の半分程度しかないことが日本の生産性全体を低くしているとしている。
 今回の結果について東洋大学の滝澤美帆教授は「日本の生産性がG7で最下位なのは極めて深刻だ。能率改善などの取り組みよりも、日本の稼ぐ力を強化することでの生産性向上が重要だ」と強調する。
(12月20日、産経新聞)

労働生産性が低いのは、「生産力が上がらない」「労働力の投入量が多すぎる」ことに起因する。GDPが上がらないのは、低収益の企業が倒産せずに温存されているためだが、それは補助金や公的金融機関が充実していることと、労働基準法が機能していないことに起因している。そして、低収益企業は低収益をカバーするために、人件費を抑制しつつ、長時間労働を強いるため、さらに労働生産性が低下する構造になっている。他方、高収益の企業はAI/ロボット化を進めるため、労働生産性の格差が拡大する一方なのだが、日本では外国人技能実習制度に象徴されるように、政府・自治体と銀行と企業が一体となって低収益企業を温存、負のスパイラルに陥っている。

マクロで見た場合、日本のGDPは1996年が525兆円(名目)、450兆円(実質)で、2016年は537兆円(名目)、521兆円(実質)で、20年間で2%(名目)、15.7%(実質)の成長となっている。これに対し、アメリカは229%(名目)、158%(実質)に成長している。
一方、労働力の投入量を見た場合、日本は1996年の就業人口が6486万人、2006年で6465万人。総実労働時間は1996年が年間1912時間に対し、2014年で1729時間。ただ、労働時間は就業者全体の数字であり、正社員に限ると2000時間に達する上、サービス残業や自主的休日出勤は数えられていない。
これに対してアメリカは、就業人口が1996年で1億2672万人で、2016年が1億5144万人。総実労働時間は約1800時間のままで推移している。
結果、日本の労働生産性はOECD諸国で20位に対し、アメリカは3位となっている。
公的融資機関、政策減税、各種補助金が、市場の自由競争を阻害し、本来退出すべき不採算企業をゾンビ化させて生き残らせ、経済成長を低迷させている。この点、倒産の無い国営企業群が経済成長を阻害した社会主義国と似ており、公的融資機関、政策減税、各種補助金の縮小、廃止は不可欠だろう。実際、「福祉国家」と言われながら、いまも経済成長を続けているスウェーデンには、この類いのものは存在しないという。
そして、政治家が企業と官僚を仲介し、官僚が減税・補助金を出し、企業が官僚の天下りを受けつつ政治家に献金する、という「腐敗のトライアングル」が日本の成長を阻害して社会をむしばんでいる。旧民主党は、その初期にその打倒と改革を謳っていたはずだが、今では完全に取り込まれてしまって、見る影も無い。

低収益・不採算の企業が生き残るということは、市場適性の低い、無能な経営者がトップに居座り続けることをも意味する。アメリカの場合、トップが天文学的報酬を得る一方で、要求される水準を満たせなければ即クビにされる。日本の場合は、企業の存続を揺るがすほどの事態でも起きない限り、経営者の責任が問われることは無い(核惨事ですら責任は問われなかった)。そのため、企業内の昇進も、能力では無く、派閥や政治力学で行われる。その結果、東電、東芝、シャープなどを見れば分かるとおり、無能な執行部が適切な対応を打てずに、延々と責任回避に終始する始末になっている。

また、日本のサービス業に象徴される通り、低価格・低収益の飲食店や小売店が乱立しているため、供給過剰となって低価格化に拍車が掛かると同時に、労働力不足が常態化している。そして、低収益であるが故に収益を上げるためには「薄利多売」する他なく、さらに出店を増やし、長時間労働を強要、低価格化と労働力不足を加速してしまっている。その労働力不足を解消するために、政府は外国人「留学生」と「技能研修生」を動員しているが、本来市場から退出すべき低収益事業を存続させ、低価格化を加速させ、労働市場の劣化(賃金低下と長時間労働)を招くだけに終わっている。
日本型ペレストロイカに必要なもの、そして失敗する理由

これを解決するためには、低収益・不採算企業の市場退出を促進させつつ、労基法の適用を強化したり、三六協定を廃止して残業を原則禁止するなどして、長時間労働や休日出勤あるいはボランティア労働を抑止する必要がある。
例えば、東京マラソンの場合、約1万人のボランティアが運営を担っているが、そのうち自発的に応じたボランティアは半分程度で、残りの半分はスポンサー企業などからの勤労動員による「ボランティア」で賄われている。つまり、公募で足りない要員を、スポンサー企業が社員に強制的に有給休暇を取らせてボランティアに応じさせているのが実情で、低生産性の象徴的事例と言える。

「なすべきこと」は明確なのに何もしないのは、政治の怠慢でしかない。
posted by ケン at 00:00| Comment(4) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月19日

現代日本で広がる逃散

【外国人実習生の失踪急増、半年で3千人超 賃金に不満か】
 日本で働きながら技術を学ぶ技能実習生として入国し、実習先の企業などからいなくなる外国人が急増している。法務省によると、今年は6月末までに3205人で半年間で初めて3千人を突破。年間では初の6千人台になる可能性が高い。実習生が増える中、賃金などがより良い職場を求めて失踪するケースが続出しているとみられている。近年の失踪者の急増を受けて、法務省は失踪者が出た受け入れ企業などへの指導を強化。賃金不払いなど不正行為があった企業などには実習生の受け入れをやめさせたりした。その結果、一昨年に過去最多の5803人となった失踪者は昨年、5058人にまで減っていた。
 今年の失踪問題の再燃を、法務省は「率直に言って遺憾だ。さらに分析しないと、何が原因か示せない」(幹部)と深刻に受け止めている。法務省によると、日本にいる実習生は6月末時点で25万1721人。ベトナム人が10万4802人と最も多く、中国人(7万9959人)が続いた。この半年の失踪者もベトナム人が1618人で最多。次いで中国人(859人)、ミャンマー人(227人)、カンボジア人(204人)だった。昨年上半期に比べ、ベトナム人は793人、ミャンマー人は160人も増えた。
(12月13日、朝日新聞)

ほとんど中世の「逃散」を見る思い。逃散とは、税の取り立てや領主の暴虐に耐えかねた農民が耕作地を放棄して他所に逃亡した後、あらためて税の減免や代官の罷免を求めるサボタージュ運動を指す。正確を期すなら、単なる逃亡は「欠落」になるのだが、当時から厳密な定義があったのかについては議論の余地がある。
実習生以外でも、日本人を含めてパート・アルバイトなどの非正規雇用では、ある日突然職場に来なくなり、連絡もつかなくなる「逃散」が日常茶飯事となっているという。

戦国期には耕作を放棄して逃散、欠落した農民が都市部に流入して飢饉を悪化させる一方、山賊や海賊になって荒らし回ったり、逆に足軽になって戦争被害(放火、掠奪)を激化させたりした。足軽は殆どの場合、固定給が無きに等しく、戦場で武勲を挙げるか、「戦場働き」によって自己調達する他なかった。戦国大名は兵力不足を足軽で補ったため、その増加に伴い、戦場での掠奪行為が激化していった。
中でも戦国期に特に深刻だったのは、南蛮渡来人が奴隷を商ったため、国内で略取された人質の多くが外国人奴隷商に流れ、東南アジアなどに「輸出」されていったことにあった。これにより国内の産業人口に危機が生じ、豊臣秀吉による対外貿易の縮小と、江戸幕府による「鎖国」政策に繋がっていった。

豊臣秀吉による惣無事令は、大名間の戦争を抑止することを目的としたが、同時に刀狩りや逃散禁止令を出すことで、国内市場の安定化が図られた。秀吉は晩年の蛮行が強調される傾向があるが、その政策はもっと積極的に評価されてしかるべきだ。

現代日本で逃散が発生するのは、労働基準法や労働基準監督署がありながら、殆ど機能しておらず、過酷な労働環境や違法操業が放置されていることに起因している。これでは法治国家とは呼べないであろう。
posted by ケン at 12:04| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月14日

コンビニも奴隷導入へ

【職種にコンビニ運営業務も 業界が申請へ】
 コンビニ各社が加盟する業界団体「日本フランチャイズチェーン協会」(東京都)が年明けにも、外国人技能実習制度の新たな職種に、コンビニの運営業務を加えるよう国に申請することが、同協会への取材で分かった。大手各社は海外展開を進めており、日本で経験を積んだ実習生に母国での店舗展開を担ってもらう狙い。
 協会が想定する実習は、レジ打ちや商品陳列に加え、在庫管理も含めた営業計画の作成など、店舗運営を学ぶ内容になる。実習制度の受け入れ職種は現在、建設や縫製、農業など77種ある。在留期間の更新時には業界団体などが試験を行っており、協会はコンビニ業務の習熟度をみる試験内容も含めて国に申請する。
 経済産業省の研究会が2015年、途上国の流通業に貢献できるとみてコンビニ業務が実習職種になり得るかどうか検討するよう提言していた。近年はベトナムやタイなど東南アジアから多くの実習生を受け入れており、各社は途上国での店舗展開に日本での経験が生かされると考えているという。
 国内店舗では、留学生を中心に既に多くの外国人が働いている。セブン−イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社で4万人を超える外国人が働き、全店員の約5%に上るという。
(12月5日、毎日新聞)

以前にも取り上げたテーマではあるが、もう一度。
コンビニ側が提供する実習は、「レジ打ちや商品陳列に加え、在庫管理も含めた営業計画の作成」だという。
厚生労働省のHPは、同制度の目的を以下のように説明している。

技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

「レジ打ちや商品陳列」は「先進国」を自称する日本に来ないと学ぶことのできない「技術」だというのだろうか。まして、パスポートを奪って、タコ部屋に何人も押し込んで外出すら認めない奴隷労働が「開発途上国等の経済発展を担う人づくり」になるとヤクニンどもは本気で信じているのだろうか。あり得ない話である。

与党ほど陳情受けるわけではないが、野党の事務所でも「実習生を受け入れたい」旨の相談を受けることがある。だが、一度たりとも「安価な労働力」以外の目的で相談されたことはない。下手すると、「給料とか払わなくて良いんだろ」くらいのことを言ってくるくらいだ。

安価な奴隷労働を確保できるからこそ、生産性も向上せず、低収益の企業が生き残り、経済成長しないという事実は、誰も指摘しない。さらに言えば、毎年数万人の実習生が「騙されて来日した」ことを恨みつつ、「反日家」となって帰国していくことを思えば、これは亡国の政策でしかない。
posted by ケン at 13:51| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月13日

契約の自由を否定する国

【NHK受信契約義務付けは「合憲」 最高裁が初判断】
 NHKの受信契約をめぐる訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビを置く人に受信契約を義務付けた放送法の規定が「合憲」と判断した。受信料制度について、最高裁が憲法判断を示すのは初めて。NHKの経営を支える受信料の徴収業務だけでなく、将来の公共放送のあり方をめぐる議論にも影響を与えそうだ。
 大法廷は判決理由で、受信料制度について「財政面で国などの影響を受けずに国民の知る権利を充足する公共放送の目的にかなう合理的なもの」などと指摘し、憲法が保障する財産権の侵害などには当たらないとした。裁判官14人の多数意見。
 一方、受信契約が成立する時期について「裁判で契約の承諾を命じる判決が確定すれば成立する」とした。「契約を申し込んだ時点で自動的に成立する」とのNHK側の主張は退けた。契約を拒む人から徴収するには、今後も個別に裁判を起こさなければならない。受信料を徴収できる期間については「テレビ設置時点まで遡って支払い義務がある」とした。
 NHKが東京都内の男性を提訴。「受信設備を設置した者は、NHKと受信契約をしなければならない」とする放送法の規定の合憲性が争われていた。男性側は「契約の強制は、契約の自由に反しており違憲だ」と主張。NHK側は災害報道や全国の放送網など公共放送の役割を強調し、「安定財源として受信料制度は欠かせない」と訴えていた。NHKによると、テレビを置いているのに契約に応じていないのは推計約900万世帯。
(12月6日、日本経済新聞)

NHK受信料訴訟の最高裁判決に際し、唯一反対意見を述べたのは、木内道祥弁護士だった。消費者の「契約の自由」を無視した今回の判決は、仮に違憲判決となった場合、過去の受信料支払いにまで遡って返還請求訴訟がなされ、大混乱に陥るという治安上の理由から合憲とされた。これに対し、木内判事は「裁判所が判決によって設置者に受信契約の承諾を命じることまではできず、設置者の不法行為や不当利得に当たるから、損害賠償請求などによって解決すべき」旨から反対した。

日本の法体系では、「契約の自由」は憲法が規定する財産権によって担保されているはずだが、「テレビについては財産権の一部を認めない」というのが最高裁の判断であり、この点でも現行憲法は紙くずと化しつつある。

今回の判決は、消費者(テレビ設置者)に相当不利なもので、NHKはテレビ設置日まで遡って受信料支払いを請求できるようになる。つまり、ますます権威主義化が進むということだ。
最高裁は「受信料支払いを拒む者は個別に裁判する必要がある」と言うが、これはすでに判決が確定しているものを裁判所で再確認する過程を強要するだけの話であり、何のことは無い「俺の了承無しでは認めない(俺にもかませろよ)」というだけのことだ。どこまでも腐敗している。

NHKは、スクランブル化を求める声に対し、「公共放送である」ことを盾に断固拒否して、全国民からの受信料徴収を至上命題としている。であれば、NHKは公共部門(ニュースと災害放送)に限定、大幅縮小して受信料も最低限度にすべきだ。しかも、その報道姿勢は近年ほとんど国営放送とかわらなくなっており、全く中立性や客観性を失っている。
NHKは中途半端な「公共放送」を止めて、税金で運営する「国家保安放送局」に改編すべきである。

【追記】
本判決は、法曹関係者に言わせると「双方敗訴」ということになるらしい。確かに「強制徴収には裁判が必要」という時点で、NHKの手間とコストは膨大なものにはなるのだが、これは「税金と同レベルに扱え」というNHKの主張がそもそもハル・ノートばりに無理筋であっただけの話で、あるいはNHKがゴリ押しの要求を行ったからこそ、「右に振れた」かもしれないのだ。そもそも放送法の規定に無理があるのだから、ここは改めて国会で議論し、法改正すべきだが、すでに議会が国民を代弁しなくなっている現状では、NHKに都合の良い改悪にしかならないかもしれない。

【参考】
・NHK受信料をめぐる決定的課題 
posted by ケン at 13:58| Comment(6) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月07日

廃炉できないもんじゅ

【設計、廃炉想定せず ナトリウム搬出困難】
廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。
 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。
 原子力機構によると、直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われ、原子炉容器に近づけない。また、原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっている。このため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。
 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。
 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。
 原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしているが、規制委側は「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念する。
 もんじゅに詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。炉の構造を理解している職員も少なくなっていると思われ、取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」と指摘する。
(11月29日、毎日新聞)

本報道に対して日本原子力研究開発機構(JAEA)が反論、「誤報」と断罪しつつ、「原子炉容器の最底部に残留するナトリウムについては、更なる抜き取り方法を検討するが、技術的に十分可能なものである」とのプレスリリースを出した。

つまり、現時点では技術的にナトリウムを取り出せないことを認め、「将来的には実現できるはずだ」と希望的観測を述べているに過ぎないわけだが、にもかかわらず、「ナトリウム搬出困難」という毎日の記事を「誤報」と非難しているのだ。
否定的な戦況を報じた新聞を発行停止にしてしまう戦時中の大本営と全く同じセンスであることを示している。

JAEAは、核技術の開発促進を担う国家機関であり、そこが原発の危険性を指摘する客観的な記事を否定するというのは、相当に危険な兆候であり、第二、第三の核事故が発生する蓋然性の高さを象徴してしまっている。
posted by ケン at 12:08| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする