2020年09月04日

河井事件の難題

【河井夫妻公判「選挙とカネ」焦点 陣営に自民1億5000万円】
 昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)の罪に問われた前法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻の案里被告(46)=参院広島=の初公判が25日午前10時から東京地裁で開かれる。
 同選挙区で案里被告を初当選させるため、克行被告が中心となり広島県内の地方議員や首長、後援会会員ら100人に計2901万円を配ったとされる異例の事件。両被告は無罪を主張する見通しで、検察側との激しい攻防が見込まれる。自民党本部が参院選前に両被告側に計1億5千万円を送金したことも判明しており、「選挙とカネ」の在り方も焦点となる。
 初公判では、両被告から現金を受け取ったとされる100人の名前や受領金額が明らかになる可能性がある。関係者によると、100人のうち40人は同県内の地方政治家で、有権者への説明責任が問われそうだ。
 両被告とも同じ法廷で、100日以内の判決言い渡しを目指す「百日裁判」で審理される。検察側の証拠調べで12月18日まで計55回の公判が続くほか、被告人質問なども予定されており、判決は来年にずれ込む公算だ。両被告とも罰金刑以上が確定すれば被選挙権が失われ、失職する。
 起訴状によると、克行被告は昨年3〜8月、100人に票の取りまとめなどを依頼して計2901万円を渡し、うち5人については案里被告と共謀して計170万円を渡した疑い。関係者によると、克行被告は現金提供の大部分を認める一方で、「陣中見舞いや党勢拡大のためだった」などと買収目的を否定し、案里被告も「違法なことをした覚えはない」などと主張。初公判では両被告とも無罪を主張するもようだ。
 これまで両被告は今回の事件について具体的な説明をしていない。法廷での説明に注目が集まる。
 <昨年7月の参院選広島選挙区>自民党本部が改選2議席の独占を狙い、党広島県連の主流派が推す現職の溝手顕正氏に加え、県議だった河井案里被告を擁立。国民民主党などが支援した無所属現職の森本真治氏を含めた激戦となった。自民党本部は、溝手氏陣営分の10倍に当たる1億5千万円を案里被告と夫の克行被告側に提供するなど全面的に支援。案里被告が当選し、6選を目指した溝手氏が落選した。
(8月25日、中国新聞)

この問題は詰まるところ、「買収目的で、被告に票を売買する意図があった」ことを検察が証明し、判事がそれを認めるか否か
にかかっている。

夫妻が真正面から争う意向を示しているのは、「いわゆる陣中見舞いと買収の違いを見分け、買収目的であることを証明するのは不可能」との判断から来ていると思われる。実際のところそれは非常に困難で、それを違法とされると、政党交付金などを政党支部に下ろす以外のカネの授受に大きな支障をきたすことになる。下手をすると、司法による政治介入に繋がってしまうので、司法がどこまで踏み込めるかも重要なポイントとなる。

そして、「検事総長問題のとばっちり」「嫌われ者だからチクられた」「菅派だから救いの手が伸びない」などの政治的あるいは人情の問題も複雑に絡んでおり、問題をややこしくしている。

個人名を書かせる選挙制度がある以上はなくなりそうにない問題でもある。
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2020年06月19日

仏検が存続の危機に

フランス語教育振興協会(APEF)が実施している「実用フランス語技能検定試験(仏検)」が、受験者数の減少とコロナ渦による検定中止によって、存続の危機に陥っているという。

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多くの大学で第二外国語が必修でなくなった上、二外の主は中国語と韓国語に移り、仏語・独語はスペイン語の後塵を拝する四番手以下に。ましてロシア語は。。。
考えてみれば、ロシアのドラマや映画は今でもよく見るが(特にドラマが良い)、フランス語のコンテンツなんて最後にいつ何見たのかも思い出せない。文化的競争力の低下もあるかもしれない。

いまや第二外国語は選択科目であるところが過半を占め、それが外国語離れだけでなく、対外理解、異文化理解、コミュニケーション能力、文化的リテラシーを始め、研究者としての知的基盤をも奪っていると考えられるが、大学人の過半もまた「まぁ英語もできないところに二外とか無理だよね」という諦めムードもあって、どうにもならない感じもする。「そんな大学、そもそも不要じゃね?」くらいに思えるわけだが。。。

外国語としての日本語も、アニメ・マンガがあるうちは良いものの、将来性はというと。。。
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2020年06月18日

日本の教育重視は昔話

【シンガポール国立大はなぜアジアトップクラスの大学になれたか 改革の主導者に聞いた】
 あれは2007年だった。日本の1人当たりGDP(国内総生産)がシンガポールに抜かれ、アジア2位になったのは。2018年で調べてみたら、シンガポールは日本の1・6倍まで伸びている。国の面積は東京都23区ほどで、人口も日本の5%以下。都市国家であり、両国の単純な比較はできない。
ただ、一つ共通点がある。天然資源に恵まれないことだ。シンガポールは、人こそが資源だとみて、教育に力を入れてきた。政府歳出の2割近くは教育予算である。首相になるには教育大臣を務めるのが必須ともいわれる。シンガポールの有力大学の評価も高い。イギリスの高等教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」の最新の世界ランキングで、シンガポール国立大学(NUS)は25位。東大は36位だった。
イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ(QS)」の最新ランキングで、NUSは11位にランクされ、アジアでトップだった。
 NUSのキャンパスをたずねたのは1月28、29日の両日。メインのキャンパスだけで皇居の1.3倍もあり、とても1日では回りきれない。3つに分かれたキャンパスに17の学部があり、約100ヵ国から4万人近い学生が集まっている。28日には、ビジネススクールや公共政策大学院などを見学したのち、29日朝、守真弓朝日新聞シンガポール支局長(当時)とともに、前学長のタン・チョーチュアン(Tan Chorh Chuan)教授に、インタビューした。
6月6日、朝日新聞Globe+より抜粋)

「シンガポールは、人こそが資源だとみて、教育に力を入れてきた。政府歳出の2割近くは教育予算である。首相になるには教育大臣を務めるのが必須ともいわれる」

日本の一般政府総支出に占める教育予算の割合は9.4%(2018年)。文科、文部大臣経験者で総理になったのは、森喜朗(第二次中曽根内閣の文部大臣、総理は2000年の三ヶ月間)が最後、その前は海部で、その前は鳩山一郎!

霞が関では、文科省は三流役所扱いで、官僚は「他には入れない人が行くところ」と言われ、国会の文科委員会は配属希望が最も少ない部署の一つ。省庁の力も弱い上に、政治的影響力も弱いため、財政難時代には一方的に予算を削られる「草刈場」となった。
さらに文科省が高等教育に介入して、国立大学の法人化や大学行政、果ては入試制度にまで口を突っ込んだ結果、劣化に歯止めが効かなくなっている。科研制度も同様だろう。

「教育制度の貧困」は、いまや大学生の半分が教育ローンを借り、卒業生の多くが賃金低下の中、数百万の借金を背負って、社会人一年生となる事態になっている。
また、大学講師の多くが非常勤や任期付きとなって、博士号をとっても常勤ポストが無く路頭に迷い、大学院離れを加速させている。

これを失政と言わずに何と言えようか。
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2020年06月10日

「弾圧法案だ」という弾圧者はいない

【三原じゅん子氏「政権批判を弾圧すると心配されている方が多いようですが…」】
 自民党の三原じゅん子参院議員(55)が30日、自身のツイッターを更新。改めて「批判」と「誹謗中傷」は別ものであると訴えた。
 国光あやの衆院議員(41)の「#ネットの誹謗中傷 #人権侵害で苦しむ皆様、医療者、事業者、いじめで苦しむお子さん、、何とかしたい!自民党で#三原じゅん子座長のもとプロジェクトチームを設置!事務局長を拝命。#岸田政調会長 #高市総務大臣にご説明。表現の自由に十分配慮し、明らかな被害に対処します!」との投稿を引用し「政権批判を弾圧すると心配されている方が多いようですが、私たちが進めようとしていることは、そういうことではありません」と強調。
 続けて「#批判と#誹謗中傷は全く別のもの。#人格否定、#人権侵害をなくし、ネット上の書き込みで苦しんでいる方々を救いたい…。その為にタッグを組みました」と説明した。
 23日に急死した女子プロレスラー・木村花さん(享年22)が生前、SNS上で激しい誹謗中傷にさらされていたことを受け、三原氏が自民党政務調査会の中に「インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策プロジェクトチーム」を立ち上げると、高市早苗総務大臣もネット上の誹謗中傷を巡る発信者の情報開示について、制度改正も含めて対応する考えを表明。政権与党の素早い対応に言論統制につながるのではと危惧する声も上がっている。
(5月30日、東京スポーツ)

面白すぎる。弾圧する側が「これは市民弾圧用の法案である」などと言うわけ無いだろう。「平和安全法制」とか「国家安全法」などと同じロジック。

1925年、治安維持法の審議に際しては、「世聞にはこの法律案が労働運動を禁止するがためにできるやうに誤解しておる者があるやうであります。此法律が制定されますと、労働者が労働運動をするについて、何等かの拘束を受けると云ふやうに信じて居る者があるようであります。斯の如きは甚だしき誤解であります」(若槻礼次郎内相)、「乱用など云ふことは絶対にない」(川崎卓内務省警保局長)と述べている。
貴族院の採決に際して唯一反対した徳川義親議員(侯爵、尾張徳川家当主)は言う。
司法大臣は、本案は極めて明瞭なるものであって、曖昧な点がない、之を用いるに当たって少しも疑いのあるはずがないと仰いましたけれども、果たしてさうであるかどうかと云ふことは、私は信じることが出来ないのでございます、之を立案いたしました方、立法者に於きましては成程明瞭で以て何等の疑を挿む所はございますまいが、之を実際に用いますのは立法者ではございませぬで、又必ずしも立法者と同じ心を持って居るものではないのでございます、実際此法を用います者は裁判官でも至って少いのでありまして、多くは警察官でございます、必ずしも之を誤って用いることなしとせないのでございます。外の法律と違ひまして、峻厳極まりないものでございまするが故に、一度誤って用いました其結果は誠に恐ろしいものでございます。

此法律がございませぬでも、新聞紙法、出版法、治安警察法等がありまして、朝憲及国憲の紊乱は、十分に取締まることが出来るものではないかと私は思ふのでございます。私の見ます所に依れば峻厳極まりない此法律の実際に当りまして、政府当局に果たして十分な用意がありや否や、細密な用意が欠ける所があるやうに思はれるので、私は茲に俄かに賛成出来兼ねるのでございます。

戦前の帝政を賞賛し、戦後民主主義を否定している連中が、何か言えば言うほど、「唇寒し」の状態にある。

【参考】
・治安維持法は言論弾圧法ではなかった?!
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2020年06月06日

アベノマスク指定強要は「誤解」と強弁する深谷市

【「アベノマスク着用」 中学校で配布プリントに記載、保護者に謝罪 埼玉・深谷】
 埼玉県深谷市の市立中学校が生徒に配ったプリントの中に、校内で「アベノマスク着用」を求めたと受け取れる記載があり、国会内で25日、野党議員らが「国支給のマスク着用を生徒に義務づけているのか」と批判した。同市教育委員会は「着用はどんなマスクでも構わない。誤解を招く表現だった」と説明し、学校側は保護者にメールで謝罪した。
 深谷市は6月1日から授業を再開予定で、5月下旬に計2日間、健康観察や課題提出のために準備登校日を設定している。市教委によると、問題のプリントは市内の1校の3年生に配られた連絡文書で、「アベノマスク着用の確認」「アベノマスクを忘れた生徒は少人数教室に残る」などの記載があった。
 その後、ツイッター上でプリントの画像が投稿され、「政府のマスク着用を強要するのか」などと話題になったため、市教委が25日に学校側に事実確認した。同校は文部科学省と市教委経由で支給された布マスクを22日に1人1枚ずつ配布しており、「有効に使ってほしい」という意図でプリントに記載したと説明。「忘れた生徒は残る」という記載については「罰則的な意味ではなく、忘れた生徒に予備のマスクを渡すことなどを予定していた」と説明したという。
 深谷市の小柳光春教育長は25日夕に発表したコメントで「マスクを持っていない生徒への配慮として、国支給マスクの有効活用を考えてこのような表現になってしまったが、(学校での着用を)決してこのマスクに限定するものではない」と釈明。「アベノマスク」とプリントで表現したことについては「国支給マスクがよくそう言われていることから使用したが、正確な表現ではない」としている。
 一方、ツイッターに投稿した保護者の女性は取材に「『変な事が書いてあるよ』と子どもから言われ、プリントを見て驚いたので書き込んだ」と話した。女性のアカウントは24日深夜に突然、凍結されて使えなくなり、「9年前からツイッターを使っている。どうしたらいいのか」と困惑している。
(5月25日、毎日新聞)

色々暗黒度の深まりが伺える事件発生。

・学校が国家支給のマスクを強要(アベノマスク着用の確認)
・抗議したら、「誤解を招く表現」(俺らは悪くない)
・「忘れた生徒は残る」は「罰則的な意味ではなく」(そんな意図は無かった)
・告発した保護者のSNSアカウントは凍結
・文科省担当者は「特定のマスクの着用は義務付けていない」と説明(産経新聞)

これらは全て権威主義者、ファシスト、天皇主義者の常套手段と文句である。
文書で明らかにアベノマスクの着用を義務づけ、投稿時に着用を確認するとまで明記しているのに、いざ指摘されれば、「誤解を招く表現」「罰則的な意味ではなく」などと強弁して、責任回避に全力を挙げている。

8月15日を境に、それまでの軍国主義者が一転して民主主義者や平和主義者を自認し、「実は戦争には反対だった」「侵略や弾圧の意図は無かった」などと強弁した様と酷似している。結局、この手の連中を野放しにして、早々に公職追放を解除、1950年代には閣僚の七割が戦犯(あるいは容疑者)という社会を作ってしまったことに全ての原因がある。責任者を免罪して、適当な言い訳をしていれば、全て水に流してしまうのが戦後民主主義の実態だった。

特に教育界というのは、「政治からの独立性」が担保されているだけに、議会から追及されることもなく、講和条約後の反動期に教育委員会の民選も止めてしまったことから、地方の教育界はまさに不可侵の独立王国の様相を呈している。
この「独立王国」は、まさに権威そのものであり、「(天皇→)文科省→教育長→校長→教員」のタテ社会を形成し、市民を思想統制し、相互監視させる機能を果たしている。

日本の学校は、授業以外の全ての機能を停止しなければならない。授業だけならば、「オンラインを主、対面を従」とすることができ、いちいちマスクの着用など「確認」する必要もなくなるであろう。
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2020年06月05日

降ってわいた9月入学論

【21年度からの「9月入学」は見送り 政府・与党方針 教育現場混乱を回避】
 政府・与党は27日、新型コロナウイルスによる学校休校を受けて検討した2021年度からの「9月入学」の導入を見送る方針を固めた。政府・与党は緊急事態宣言中の授業の遅れを取り戻す方策として検討したが、保育の期間にしわ寄せがいくなど課題が多く、教育現場を混乱させかねないと判断した。安倍晋三首相が夏までに正式判断する。
 自民党の秋季入学制度検討ワーキングチーム(WT、座長・柴山昌彦元文部科学相)は27日、9月入学への移行は一定の準備期間や国民的な合意が欠かせず時期尚早だとする提言骨子案を党幹部に提示した。WTは一方で今年度に限り就学期間を1カ月程度延ばす特例措置の検討を政府に要請し、来年の大学入試も2週間から1カ月程度遅らせるよう求める。公明党も21年度までの9月入学に反対する方針で、山口那津男代表は「時間をかけた十分な議論が必要だ」と述べた。
 9月入学は緊急事態宣言の発令に伴う休校長期化を踏まえ、東京都の小池百合子知事らが提唱した。安倍晋三首相も4月29日の衆院予算委員会で「前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と表明。与党内でも「秋入学が多い欧米への留学促進や国際化につながる」などの賛成意見もあり、文科省は来年9月の導入を前提に入学者を「6歳〜7歳5カ月」まで拡大するなど3案を検討した。
 だが、保育の期間が延び、待機児童が一定程度は増えるなどの懸念が広がり、学校現場や市区町村から慎重論も強まった。就職活動時期や関連法令などの見直しなどの必要もあり、文科省も導入の場合は家庭の追加負担総額が2兆5000億円に上るとの試算を示した。25日に緊急事態宣言が全面解除となり「夏休みを活用するなど学習の遅れを取り戻す議論を優先すべきだ」との意見が強まった。首相も25日の記者会見で「9月入学は有力な選択肢」としながら「慎重に検討していきたい。拙速は避けたい」とトーンダウン。首相はウイルス感染の「第2波」「第3波」で休校期間がさらに延びることを警戒しており、9月入学見送りの正式決定までは時間をかける構えだが、首相側近は「もともと導入は難しいことは分かっていた。特にコロナで大変な時はやるべきではない」と述べた。
 一方で、自民党内では9月入学賛成派も多いことから、政府・与党は将来的な9月入学導入についての議論は続ける構えだ。与党内では一律的な導入は当面見送るものの、独自に9月入学への移行を希望する大学などがあれば支援策を行う案も出ている。
(5月27日、毎日新聞)

そもそも小学校の入学時期を多大な労力と資金を投入して四月から九月にする理由がわからない。投資と利益が合わなすぎだろう。
経済界の要求に従うなら、大学だけ九月入学にして、半年分は就労体験やアルバイトなどに充てるという手もある(個人的には将来を見据えて国防学も導入して欲しい)。
しかし、日本の大学生数290万人に対して、海外留学者は10.5万人に過ぎず、ごく一部のエリートのために圧倒的多数を犠牲にする必要があるのか、大いに疑問がある。経済合理性から言えば、少数の海外留学生を優遇措置すれば良い話で、それは各企業の採用に際して考慮すべき話であって、大学や教育行政がどうこうする話では無い。

教育制度論を学んだ立場から言えば、むしろ小学校の入学時期の前倒しと年齢選択化を実施して、小学校を七年制度にして五歳児を入学可能にしつつ、同時に成長度に合わせて五〜七歳まで就学時期を選べるようにするのが妥当だ。しかし、専門家の意見が文科行政に反映されることはまずない。
例えば、中央教育審議会に教育学者は殆どいない。中教審のメンバーを見れば、ダメな理由もすぐにわかるだろう。問題設定からして間違っているのだから、必要な議論が交わされることすらないのだから。
ましてや利権まみれの国会議員が議論するとなれば、ますますロクなことにならないだろう。
色々詰んでいるのである。
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2020年06月01日

学生支援で外国人だけ成績要件

【留学生は成績上位3割限定 現金給付、文科省が支援要件】
 新型コロナウイルスの影響で困窮する学生らに最大20万円の現金を給付する支援策を巡り、文部科学省が外国人留学生に限って成績上位3割程度のみとする要件を設け、大学などへ伝えたことが22日までに、同省への取材で分かった。アルバイト収入の減少などは日本人学生らと同じ状況にありながら、学業や生活を支える支給に差をつける形となる。
 文科省は「いずれ母国に帰る留学生が多い中、日本に将来貢献するような有為な人材に限る要件を定めた」と説明。対象者の審査は各大学などが行うため、同省が示した要件を満たさない学生らでも給付対象になる可能性はあるとしている。
 文科省は現金給付の要件として、学費を賄うアルバイト収入が通常時から月額で5割以上減ったことや、原則自宅外で生活していること、目安で実家から年間150万円以上の仕送りを受けていないことなどを挙げている。
 その上で、留学生は成績優秀者とし、具体的には前年度の成績評価係数が2.30以上とした。文科省によると、成績上位25〜30%程度に当たる。1カ月の出席率は8割以上で、入学料と授業料を除く仕送りが月額平均9万円以下であること、日本にいる扶養者の年収が500万円未満であることも求めている。
 文科省は「(こうした要件を)考慮した上で、経済的理由で修学の継続が困難であると大学等が必要性を認める者」を対象とすると規定。迅速な給付を重視する観点から、対象者の審査は各大学などに委ねる仕組みとした。大学などは今後、日本学生支援機構の奨学金給付実績などに基づいて割り振られた人数枠の中で対象者を決める。
 文科省は給付対象の約43万人のうち、留学生が占める割合は算定していないとしている。
(5月22日、日本経済新聞)

「留学生30万人計画」は、そもそも需要が無かったところに、外国人労働者相当を「留学生」として滞在許可を出していることによって成立している。
だからこそ、「週28時間」までの長時間の労働が許されているわけだが、コロナ渦によってアルバイトができなくなり、死活問題になっているのが現状だ。留学生のアルバイト率は七割を超えるとされる。

日本がまだ経済先進国と言えた1990年代の留学生数は約7万人前後で推移しており、恐らくはこの数が本来の留学需要だと考えられる。
その後、労働力不足と低賃金労働者の必要が生じたことから、就学ビザの要件が大幅に緩和、日本語学校が粗製濫造され、留学生数は急増した。
当然、その質は下がるわけで、日本語学校の場合、就労の隠れ蓑になっている場合も少なくない。この場合の就労は、当然社会保障適用外の非正規雇用が基本となり、真っ先に解雇、雇い止めとなる対象なのだ。

確かに現在では留学生27万人のうち10万人は中国人で、中には日本人よりも金持ちの場合もあるが、あくまで少数派であり、コロナ渦によって実家の収入が減少し、仕送りが難しくなっている状況は日本と変わりは無い。

つまり、「学習実績が無い」留学生を「人手不足・低賃金労働者不足解消のために」呼び込んだのは日本政府なのだ。
それ故に、雇用を失って生活に困窮する留学生を一時的にでも救済するのは政府の責務であり、それは国家としての信用を左右する。
ここで留学生に手厚い支援をしてこそ、むしろ日本に対する国際評価を高めるチャンスであるはずだが、どこまでも先の見えない連中である。
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