2012年03月11日

レッスン21回目

いよいよ3クール目も最終回。
各クール8回なので、平均一回の休みということで、なかなか良いペースで通えている。
やはり継続が大事。

今までは寒すぎて、体が温まるのに時間がかかったが、今度は急に気温が上がった。
だが、レッスン室の暖房はそのまま効いているようで、暑いことこの上ない。
今度は汗がダラダラと流れ、半分を過ぎると息が上がってきてしまう。
湿度のせいもあったかもしれない。
いや、なかなか上手くいかないものだ。

さらにいつもの先生がお休みで代行。
普段はバーレッスンであれ、センターレッスンであれ、動きの順序はほぼ統一されているのだが(それでも時々間違ってしまうw)、先生が替わると動きも順序も微妙に変わってくる。
当然、先生の手本を見て一回で覚えなければならないし、上のクラスに行けば、どこでも毎回違うものらしいのだが、どうも私はいまだ慣れず、なかなかついて行けない。
私のレッスンは相当メチャメチャになっていたと思うのだが、先生も呆れてか全然直してもらえず。
こんなんで上のクラスに行って大丈夫なのかと心配に……

それにしても、昔歯医者に行った時も思ったが、美人の先生というのはよろしくない(笑)
ただでさえ面食いの私は気になって仕方がないし、「こんな恥ずかしい姿見ないで〜!」って感じで、ますますメタメタに……
いや、すみません。全部私が悪いんです〜〜次はちゃんと頑張ります!!
posted by ケン at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月04日

レッスン20回目

バレエ学校に通い始めて早や半年、レッスンも20回目になった。
我ながら感慨深いものがある。
もちろんやる気満々で始めたことなのだが、少なくとも肉体的には未知の分野であり、舞台を観ることはあっても、自分でやることなど全く考えていなかっただけに、果たして自分がどこまで通用するか、不安があった。黒一点だし……

バレエの難しいところは、基礎を積み重ねていかないと上に行けないところであり、相応のテクニックを身につけないと、踊ることすらかなわない点にある。
野球でもサッカーでも、下手は下手なりにチームを組んで楽しめる。
水泳やスキーでも、ごく基本的なことを学べば、スピードはともかく、泳げるし、滑れる。
だが、バレエの場合は、ただ基礎を学んだだけでは、踊れるようにならないのである。
つまり、最初の段階のハードルが極めて高い、言うなれば免許を取るのが非常に難しい感じなのだ。
だからこそ、大人になってからのバレエは、相当な意欲か根気が必要となる。

この日も「膝が曲がってる」「真っ直ぐ立ててない」「足が伸びていない」と基本的なところを注意されまくり、「本当に上のクラスに行って大丈夫なの?」と思ってしまう。
とはいえ、いつまでも「基礎の基礎」では飽きてしまうし、少し上のレベルに身を置いた方が得るものが多いこともある。

天気は悪いものの、少しずつ暖かくなっているので、そろそろ上のクラスに顔を出してみようと思っている。
う〜〜超緊張しマス〜〜
posted by ケン at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月25日

レッスン19回目

一週間おいて入門コースも19回目。通い始めてまもなく半年になる。
やはり「継続は力なり」であろう。
ただ、いかんせん寒い。
感覚の上では、この程度の寒さはどうということもないのだが、とにかく体が硬いのだ。
通常、だいたいレッスンが始まる15〜20分前にはスタジオに入って、ストレッチをして、体を柔らかくしつつ、ウォーミングアップするのだが、全然足らない。
レッスンが始まっても、体の硬さばかりを覚え、思うように動かせない。と言うよりも、どうしても動きが縮こまっているというか、滑らかにならず、ギクシャクしている感じ。分かっていてもどうにもならない。
いや、プロの人たちがレッスンの前と後に1時間から2時間もストレッチすると言うのがよく分かる。
筋肉がついてくるほど硬くなるのだから、練習する前に十分に柔らかくしておかないとケガの元にもなってしまうのだろう。
この日も、ようやく体が温まってきたと思ったのは、30分を過ぎてからのことだった(レッスンは1時間半)。単純に年齢のせいかもしれないが……
ロシアがバレエやフィギュアや新体操で強いのは、あの寒さの中で鍛え続けていることも大きそうだ。

それ以降も、伸ばすべきところは伸ばしていないし、開くところが開けていないと注意されてばかり。
一回休むと2週間も空いてしまうので、どうしても感覚が薄れてしまうこともある。
やはり週2回体制にして、一回休んでも間を一週間以内にする措置が必要だろう。
基礎クラス以上はオープン・クラスなので、好きなときに行けば良いのだが、この体の硬さではちょっとレッスンについて行く自信がない。まぁやはり3月からだな。

基礎クラスもいくつかあって、それぞれ先生も違うので、先生に相談してみたところ、「通えるクラスに行けばいいよ。どこでも大丈夫。他の先生には『私のクラスから男の子が行ってモジモジしてるかもれないからよろしくね』って言ってあるから」とのこと。
自分、そんなにモジモジくんでしたか……
ま、仕方ないよね。先生含めて、レオタードの女性しかいないスタジオに黒一点で入っていって堂々としていられる人なんて、まずいないっスよ。入っていっただけでも評価して欲しいくらいデス(笑)
posted by ケン at 22:45| Comment(4) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月19日

日本のバレエ人口は40万人?

読売の報道、昭和音大の調査によれば、日本のバレエ人口は推計で約40万人。確認されたバレエ教室の数は4630に上るという。そのうちの49%がコンクールに生徒を出しているというから、どんだけ好きなんだ、って感じ。
でも、バレリーノの一人として、40万人のうちの男女比は気になるところ。

本場の欧米ではバレエ学校は基本的にプロのためのもの。東欧圏は、社会主義時代の名残で街のバレエ教室があるものの、民主化・自由化以降、バレエ人口は減っていると見られる。
ハイカルチャーが大衆文化化してしまうことや、庶民レベルで子どもに習い事をさせるのは江戸時代の名残かと。

私が見聞きしてきた限り、西欧の労働者階級に子どもに習い事をさせる文化はない。
旧ソ連・東欧圏は社会主義時代の影響で、子どもに習い事をさせる傾向があるものの、若い貧困層では難しくなっているのではなかろうか。
旧ソ連時代には、国家プロジェクトとして子どもの才能発掘に力を入れ、才能がありそうな子どもには相応の教室に通わせる強制力が働いていたことによる。故に、ソ連時代に生まれ育った人には一芸を有する人が多い。

だが、日本では中流未満の家庭にあっても、厳しい家計の中から子どもに習い事をさせる家が少なくなかった。
少なくとも、私の幼少時には、公営団地に住む家の子どもでも、習字やそろばんや水泳教室あるいは野球教室などに、普通に通っていた。
これが中流以上になると、ピアノやバレエや絵画教室とかになって、傾向が異なるのだが、どんなものであれ習い事に通わせる文化が根付いていることに変わりはない。
ただ、最近の家庭では、共働きなどの影響もあって難しくなってきているものと思われる。

先にも述べたことだが、バレエや音楽の国際コンクールで日本人が大活躍する背景には、日本における裾野の広さが基にある。
日本人に次いで、中国人やロシア人が多いことも、従事する人口が多く、それを学ぶ基盤が全国的に広がっているからこそと言える。

我々はつい頂点ばかりを見がちだが、「裾野の広さ」は重要である。
二次大戦時、日本では当時まだ、入隊して初めて靴を履いたとか、初めて車を見たなどという国民がゾロゾロいたものだった。
それに対して、アメリカでは、「入隊時には親に車で送ってもらった」という例がありふれていた。
日本では「車の免許を持っている」というのは、今に例えれば「ヘリの免許を持っています」くらいのレアケースだが、当時の米国では「誰が持っていてもおかしくない」くらいのものだった。
こうした違いは、機械や兵器に対する理解力、ひいては兵・軍としての能力に現れてくる。
日本では開戦一年で航空機の搭乗員が不足してしまったのに対して、米国では大量に訓練することができたのだ。
習字やそろばんが、日本の識字率や計算能力に与えた影響の大きさは言うまでもない。
わが家でも、祖父が写真を撮っていたことや、大叔父がロシア語の専門家であったことが、私に大きな影響を与えている。

話が飛んでしまったが、日本におけるバレエの裾野の広さは、文化・芸術の普及度や教育水準の高さを示すものであり、それは非常に貴重な資産と言える。
国政の観点からも、是非とも大切にしたいものだ。
posted by ケン at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

ライモンダ〜ボリショイ劇場

ボリショイ・バレエの『ライモンダ』を観る。
バレエもしくはロシア音楽に馴染みのない人は聞いたことすらないかもしれない。
グラズノフの作曲で、1898年にマリインスキー劇場で初演されている。
ロシア・バレエの定番だが、ローザンヌ国際バレエコンクールにおいて規定演目の一つにされているくらい、バレエ関係者にはメジャーな作品。観たこと無い人でも、オープニングや2幕目のピアノ曲などは聞き覚えがあるのではないか。
管弦楽曲としても、ロシアでは「ライモンダ序曲」として良く演奏されており、ロシア人にとっても馴染み深い演目だ。

raimonda12.JPG

ガラ公演などを別とすれば、ボリショイのバレエ団をフルで観るのはかなり久しぶりになる。
恐らく10年ぶりくらい。
と言うのも、90年代から2000年代の初めにかけて、ボリショイ劇場はソ連崩壊の影響をモロに受けて、ダンサーも歌手も演奏家も、皆こぞって外国に出てしまい、資金調達にも失敗して極度の財政難に陥り、ボロボロの状態にあった。
90年代半ばに何度か観たものの、「ボリショイももう終わったな」というのが私の正直な感想だった。それは、00年代初頭にモスクワで2度ほど観た時もあまり変わらなかった。
ダンサーだけでなく、装置や衣装や振付も古くさく、特に00年代初頭はマリインスキー劇場がかなり復活を遂げていたので、その落差にますます「もういいや」という気分にさせられていた。
ザハロワやルンキナといった、私が大好きなバレリーナが在籍しているとはいえ、この感覚はなかなかぬぐえなかった。

今回足を運ぶことになったのは、考えてみたら20年近く観ていない『ライモンダ』を上演することが主な理由だった。
いかんせん、フルで舞台で観たのは、20年前のペテルブルク、下手すれば当時まだ「キーロフ劇場」だったかもしれないマリインスキー劇場だったか、「マールイ劇場」だったミハイロフスキー劇場だったかの一度きり。
しかし、その華やかな舞台と圧倒的な踊りの量を忘れることはなかった。

『ライモンダ』は、ごくごく単純なストーリーがあるだけで、基本的にひたすら踊りまくるだけ。
特に、主人公のライモンダなどは三幕の最初の部分以外は殆ど出ずっぱりなので、相当な体力と集中力がないと演じられない。
難しいストーリーがあるわけでもなければ、難しい感情表現があるわけでもないので、ひたすら踊りの量とテクニックを見せつける内容になっている。
そのため、一方で「古典的な踊りが山積みされているだけ」という批判もなくはない。

不安は、良い意味で裏切られた。
衣装も舞台装置も、確かにクラシックではあるのだが、非常に現代的な感覚で洗練された形でリファインされており、何とも美麗な舞台に仕上がっていた。
衣装の美しさ、特に色彩の絶妙なハーモニーが目に焼き付くかのようだった。
時として青暗い照明が、さらに衣装と舞台の美しさを際立たせており、以前の私の評価は全て撤回せねばなるまい。
欧米の舞台は、クラシックの演目であるにもかかわらず、変に現代風にアレンジするクセがあり、私は好きになれないのだが、ロシア人のこうしたクラシックの良いところを残しつつ、現代のセンスと技術でリファインできるところは直す姿勢は高く評価したい。

肝心の踊りの方も、全体のレベルが非常に高く、層が厚い。
ニクーリナが友だち役(アンリエット)だもんな〜〜
グラン・パに至る、全てのダンサーの質が高く、最初から最後まで飽きさせなかった。
個々のテクニックや体格は、日本人も相当欧米に近づいてきていると思うのだが、安定性や芸術性において、特にマリインスキーやボリショイには遠く及びそうにない。
論理的に説明するのが難しいのだが、とにかく舞台に華があり、「決まって」いるのだ。手先までピタッと止まり、微動だにしないところなどは、日本はまだ水準に達していない。

アレクサンドロワのライモンダは、「お姫様」にしては、若干色気があり過ぎるような気がするのだが、私は色気のあるダンサーが好きなので全然OKだったものの、普通の日本人の皆さん的にはビミョーだったかもしれない。
まぁ彼女が、今どきのロシア人のバレリーナにしては珍しくちょっと小柄で、少し脚などがムッチリ(もちろん筋肉)しているからかもしれないが……
これも、ガラ公演での抜粋や、ローザンヌのビデオを観ると、可愛らしいお姫様であることが多いことも、色気のあるライモンダに惹かれてしまう理由かもしれない。
自分の妻も、あまり色気がある方じゃないし……

敢えて難を言えば、帽子を落としたり、体をどこかにぶつけたり、舞台脇で何かに躓いたりといった、細かいミスが目立ったものの、それを無かったことにできるくらい、舞台全体の華が際立っていたと言えよう。
いまやボリショイは完全に復活した。モスクワに行っても、安心して劇場に通えるというものだ(笑)
posted by ケン at 12:56| Comment(2) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

レッスン18回目〜ケンはレベルがあがった?

キターッ!!レベルウ〜ップ!

ついにバレエの先生から「上のクラス(基礎クラス)に行ってもいいよ」と言われる。
自分では昇級の基準がまったく分からないので、今のクールが終わったら一度聞いてみようと思っていた矢先に、しかもレッスン中に突然のことで、まさしく青天の霹靂だった。

レッスンの合間に先生が、「自分がダメだと思っていても、どんどん上のクラスに行った方が、(結果的には)上達が早いよ」という話をされた際に、何人か指名して、「あんたはもう初級に行ってもいいんじゃない?」「あんたもグズグズしてないでサッサと基礎クラスに通いなさい」と順番に言っていった最後に、「あんたももう上の(基礎)クラス行っていいからね」と付け加えてくれた感じだった。

私が通う学校では、入門→基礎→初級→中級というクラス編成になっている。
その他にポアント入門や同初級クラスなども併設されている。
とは言っても、入門クラスは「レベル0」みたいなもので、「バレエを学ぶ体をつくる」「ケガをしない形・体勢を覚える」ことが目的。ようやく基礎クラスでようやくレベル1になれる感じ。
言うなれば、これから実際に車に乗って動かします、くらいのところ。路面教習など遙か彼方である。

基礎クラスを見学したわけでもなかっただけに、自分では自分がどれくらい上達して、どのくらいになれば上のクラスに行けるのか見当も付かなかった。
キホンがオープンクラスなので、別に昇級試験があるわけでもなく、個々人の判断に任されている。
とは言え、私は教員経験もあるだけに、先生も言う「早めに上のクラスに上がった方が上達が早い」ことはよく分かっていた。
これは、命惜しさにレベルの低いダンジョンをウロウロしていたところで、どんどんレベルアップの速度が落ちていくだけなのと同じことだ。

先生の話しぶりからすると、先生が入門を担当してから、男性で昇級するまで続いた人は皆無だったようなので、ちょっとした「快挙」ということになるのだろうか(笑)
それくらい大人の男性が続けるのは難しいものとも言えるが……

それにしても、クラスで一番上手な人が初級に通いつつ、入門のレッスンを受けていることは知っていたが、他にもあんなに上のクラスと並行して受けている人がいることには驚いた。
これは、基礎以上のクラスに行くと、テクニックを教えることで手一杯になってしまうので、先生たちも細かいバランスの取り方や体勢についてまでは、注意しないためらしい。
しかし、テクニックは学んでも、正しい姿勢で演じない限り、体が歪んできたり、ケガの原因になったりするし、必要な箇所が正確に鍛えられないといった問題が生じる。故に、入門クラスに下りてきて、姿勢をチェックしてもらっているようだ。
なるほどシビアな世界である。

基礎から上はオープンクラスで、しかもいくつか開設されており、何時でも参加可能ではある。
が、この日もレッスンを受けて、前日にピラティスを受けて体をほぐしておいたにもかかわらず、先週は鼻風邪で休んだせいか、体がガチガチで少なくとも前半は思うように動かせない始末だった。
やはり、もう少し暖かくなってからの方が無難かもしれない。つまり、今のクールが終わる頃が目安か。
それに、基礎クラスはいくつかあって、先生も異なるだけに、どの先生が自分に合いそうか、相談もしておきたい。先生との相性は大事だろう。女性の先生なだけに尚更だ。

しっかし、基礎クラスを受けに行く時は、また死にそうに緊張しそうだな〜〜
まぁ、先生曰く、「踊ることを学ぶのは(もう一つ上の)初級クラスから」とのことだから、先は長いし、まずはやるべきことをこなしていくことが大事だな。
でも今日くらいは自分に祝杯を挙げても良いだろう!!
posted by ケン at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

ローザンヌ国際バレエコンが意味するもの

【ローザンヌ国際バレエ、17歳の菅井さん優勝】
 スイスのローザンヌ国際バレエコンクール第40回大会の決勝が4日行われ、和光高校(東京都町田市)2年の菅井円加さん(17)(佐々木三夏バレエアカデミー所属)が1位になり優勝した。
 決勝では古典と現代舞踊を踊り、しなやかで、切れのある表現が評価された。現代舞踊で最高の演技をしたとしてコンテンポラリー賞も同時受賞した。
 本紙の取材に対して、菅井さんは「なんでも踊れるダンサーを目指し、海外で活躍できるようになりたい」と喜びを語った。
 15〜18歳の男女に参加資格を限る同コンクールは、新進ダンサーの登竜門で、入賞者には世界の名門バレエ学校への1年間の留学資格と奨学金が与えられる。これまで最優秀の金賞に輝いた熊川哲也さんをはじめ、吉田都さん、上野水香さんらを輩出した。順位が報じられるようになってから日本人の1位は初めて。
(読売新聞、2月5日)

菅井さん、優勝おめでとうございます!!

優勝はもちろん快挙なのだが、多少なりともバレエを知るものとしては、コンテンポラリー賞の同時受賞の方に注目するはず。
フィギュアスケートにも共通することだが、日本人の場合、規定の演技には強い一方、自由演目や芸術性の面で、どうしても後れを取りがちなところがある。
モダン・バレエに始まるコンテンポラリーの特質は、人間の内面の表現を前面に打ち出すために、様々なクラシックの縛りを取り払うところにある。
しかし、クラシック・バレエというもの自体が、極めて厳格なルールと技法の上に成り立っており、まるで正反対の性質を持つ。
故に、コンテンポラリーを演じるということは、厳しい修業によって積み重ねられてきた「業」を一旦取り払って、なおかつ高い技術力で全力で自己表現することを意味する。相対的に自己主張が弱めな日本人には、本質的に難しい分野なのだ。
それだけに、9人の様々な国籍からなる審査員が、満場一致で一位とコンテンポラリーの授与を決めた意義は、とてつもなく大きい。

どうしても華やかなところに目が行き勝ちだが、注目すべき点は他にもある。
今回のコンクールの応募者は226人で、うち日本人は21人、ほぼ10%に相当する。
一次審査は録画映像によってなされ、今回は79人が選ばれているが、うち日本人は19人(女子14人、男子5人)に達している。ほぼ4分の1で、国籍別では最多。2番目が中国とブラジルの8人であることを考えれば、そのレベルの高さが分かるだろう。
この79人がローザンヌに来て、4日間の合同レッスンの後、本選に出場する。
決勝には21人が選ばれたが、うち日本人は女子4人に男子1人の5人。ここでも国籍別は最多で、次はアメリカとブラジルの3人だった。
今回は、入賞者は優勝の菅井さんだけだったが、本選進出者と決勝進出者の4分の1が日本人であるということは、日本におけるバレエの裾野の広さとバレエ教育の水準の高さを示している。
ただでさえ、圧倒的な少子化のただ中にある日本において、少なくともバレエの基礎レベルはまだ上昇を続けているのだ。バレエ人口が大きく減っていたら、こうはならないだろう。
もちろん、欧米・ロシアにおいてバレエが相対的に衰退、人気を失いつつある点は否めないが、とは言え、日本においてバレエがそれほど一般的だとも言えないだろう。

山岸涼子先生の『舞姫テレプシコーラ』の世界は、いまや全く夢物語ではない。
20年来のバレエ・ファンとして、また最近自ら学び始めたものとして、感慨深いものがある。
私ももっと頑張らなければ!
そして、これからはもっと男性にバレエの世界にお誘いしたい。
posted by ケン at 12:17| Comment(5) | TrackBack(0) | バレエ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする