2019年01月29日

一時帰国中は銀聯カードで

無事帰国しました。まずはご報告まで。

中国との行き来が楽な点の一つに決済がある。
少し前までは外貨で給料をもらうと、基本的に現金で日本に持ち帰り、両替する必要があった。これが面倒な上にロスが多かった。

が、現代中国の凄いところは、中国の銀行で口座を開設すると、日本のキャッシュカードの代わりに、「銀聯カード」なるデヴビッドカードがもらえる。この銀聯カードが強力で、セブンイレブンなどのATMで一日10万円まで日本円で現金が引き出せるのだ。もちろん決済は中国の銀行口座(ケン先生は平安銀行)から人民元で引き落とされる。しかも手数料はわずか15元(200円強)で、交換レートも悪くない。非常にロスが少なく、リスクも殆ど無い。
マネロンの恐れがあるので、上限規制が厳しいのだろうが、普通に生活するには全く困らない。

中国人観光客の増加に伴い、場所によっては、ALI-Payや微信決済も可能になっており、中国で使ってるスマホでそのまま決済することもできる。この場合は、ネットに接続している必要があるが。
私の場合は、旅行者用の30日間使い捨てSimカードを入れて対応している。羽田行きの飛行機の中では、到着前に中国人旅行者が続々とSimカードを入れ替えており、時代を感じさせる。
posted by ケン at 00:00| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月27日

前期のゲーム納めはT&T

帰国前最後のゲームカフェ活動はGMT社の「Triumph & Tragedy」。
本ブログでの紹介は一回きりだが、実はもう少しプレイしている。

本作は、各陣営が有する生産力を使って、軍備(積木)、外交カード、技術開発カードを購入する。開戦前は、外交戦をやったり、工場を建てたり、技術を開発したりするが、一度開戦すると、作戦カードを兼ねる外交カードを使って軍を動かし、攻撃する。
軍備、外交・作戦行動、技術開発はトレードオフの関係にあり、どれを重視するかはプレイヤー次第となるし、他者の行動を見て自分の行動を変える必要も生じる。

「生産力その他で25VPにする」「自陣営外の首都級都市を2つ占領する」「核開発を4レベルにする」という、3つある勝利条件のうち一つを達成すればサドンデスに終わる。
全てにおいて自由度の高さが(史実再現性よりも)優先されており、ドイツが一切宣戦布告せずに済ませることも可能なら、ソ連が南下政策を実行して連合国に宣戦布告してインドになだれ込むことも可能なのだ。

私は一年ぶりくらいだが、ルールは難しくないので大体覚えている。
中国語には最近翻訳されたようで、「ぜひプレイしたい」との要望が上がっていた。
みなスマホを片手にPDF化されたルールを見ながら、X氏がルールを確認、分からないところは私が英語ルールを見ながら再確認する感じ。何とも時代と国際化を覚える。
しかし、どうも中国語の翻訳は機械翻訳頼みのようで、いささか不安を覚える。

実戦は私が連合国を持つ。Xさんは「枢軸国が難しいそう」と言うが、実は本ゲームの難度は連合国が高い。というのも、初期工業力が非常に低く、国はイギリス、フランス、アメリカに分散、ユニットも米本土からインドに至るまで超分散配置で始まるため、戦争が長期化しないとまず勝ち目が無い。
史実的勝利をめざす場合、ローマとルール(西ドイツ)を占領する必要があるが、いずれも上陸作戦を成功させることが前提で、これがまた容易ではない。
この点、ドイツはパリと、レニングラードないしはロンドンを占領すれば勝てるので、短期決戦ならチャンスが相応にあるのだ。まぁ賭博的ではあるが。

さて本番は私以外は二人とも初プレイ。みな外交とか技術とか良くわかっていないので、ひたすら戦力増強している。これはこれで恐い展開ではある。私は先輩として、オーソドックスに工場強化を進める。
ドイツは初年度(1936年)から低地諸国へ、ソ連はバルト三国に進駐するという、これも初心者ならではの恐いもの無しなプレイだ。

1937年、今度はみな半分くらいは外交や技術カードを購入するが、やはり戦力増強が中心。若い連中は気がせいていかん。
しかも、同年夏にはドイツが連合国に宣戦布告してパリに乱入。一応私もパリの戦力を増強しておいたものの、衆寡敵せずそのまま陥落、フランスが降伏してしまう。
ドイツはまだオーストリアすら併合しておらず、イタリアとの連絡線も引けていないのに・・・・・・

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まぁ起こってしまったものは仕方ないが、連合国の生産力はまた下がってしまった。
ドイツは返す刀でポーランドに侵攻。ソ連も狙っていたようだが、カード順でドイツが先になった。
ソ連は仕方なくルーマニアに侵攻。相変わらずのT&T節であるが、これこそT&Tの醍醐味ではある。

だが翌年、ドイツプレイヤーは参戦したことで、生産力が急減したことに気づき驚愕する。
参戦前は人口と工業力のみが生産力の基準となるが、参戦後は「資源」が加わり低い方が、そのターンの生産力となる。従って資源の無いドイツは生産力が「8」になってしまっていた。
このためドイツは、参戦前にハンガリー、ルーマニア、ユーゴスラヴィアなどの資源国を陣営に組み入れておく必要があるわけだが、初プレイだったため、良くわかっていなかったらしい。

その後、38年にはソ連がドイツに対して宣戦布告。何の技術革新もしていない巨大な旧式軍が大津波のようにポーランドとドイツを飲み込み、1940年にはベルリンとルールを占領して勝利宣言するに至った。
ケン先生は38年にはUSを参戦させ、連合国として低地諸国に上陸を行ったものの、仮に先にルールを占領したとしても、ソ連が米英に宣戦布告してルールに進撃すれば為す術無い状態だった。

結局、ドイツが早々に宣戦布告したために、ドイツも連合国も共倒れして、ソ連が何もしないで漁夫の利を得るという、戯画的展開となったのだ。
「こら!何してくれんのや!」とドイツプレイヤーに言ってやりたかった。
しかも、ドイツは1940年には核を2レベルまで開発しており、普通にプレイしていれば「核開発4レベル」で勝利宣言できる立場にあったのだ。まぁルールをきちんと知っておくことは大切だよね。

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終局図。欧州は真っ赤っか。

展開としてはお粗末きわまるものだったが、プレイの感想としてはみな大満足で、私も怒りながらも同時に大笑いするしかなかった。
「先にやったもの負け」な感じは相変わらずだが、この規模の大戦略級ゲームとしてはやはり傑作であるという認識を新たにした次第。またプレイしたい。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月25日

今更だけど、ロシア学徒からの一提案

ロシア人との交渉は難しい。難しいというのは、タフネスが要求される点で、ロシア人は外交と軍事はほぼ一体的に考えており、基本は火力優勢主義でゴリ押しと破壊を旨とする。
明治の名残があった頃の日本人は、まだ頑張れたが、牙を抜かれたような戦後の日本人には、ロシア人の相手は務まらなくなっている。

例えば、ラブロフ外相の強硬姿勢は、日本側がアメリカの傘の下にあって強気に出られず、自立的な武力行使もできないことを熟知して、いわば馬鹿にしているのだ。
ロシア人から信用されるためには、基本的に教養は二の次で、己の蛮性を見せつけ、対等であることを示すのが良い。
その意味で、幕末・明治の薩摩人や鹿児島県人が現存すれば、最も交渉に適していたはずだった。
が、存在しないものを頼っても意味は無い。

そこでケン先生の提案である。
自衛隊の最大戦力をもって北海道に集結、戦後最大規模の軍事演習を行うのである。
いわば関特演の再演だ。

スターリンが飢餓輸出を行ってまで重工業化と重武装を推し進めたのは、「遠からずして日本とポーランドが挟撃してくる」という恐怖心に起因していた。今日からすると馬鹿げているにもほどがあるが、本気も本気だったのだ。
今のロシアは、世界の戦力の3分の2を占めるNATOと対峙しており、その脅威度はポーランドなど全く比較にならない。
だからこそラブロフ氏が日本を威嚇し、プーチン氏がなだめ役を努めている。

日本に求められているのは、「武力行使を厭わない」姿勢であり、それを示さない日本はどこまでもロシア人から信用されない構図にある。
日ソ中立条約が締結されたのは、ノモンハンで大損害を被りながらも、日本軍が「本気」を見せたことが大きく作用している。

仮に平和憲法の規定により、こうした演習ができないのであれば、軍事力を持つ意味は限りなく小さくなってしまい、21世紀にあって米中ロの狭間で生き延びられるか心配になってくる。
posted by ケン at 12:00| Comment(8) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月24日

アリョール強襲 1943

Xさんが「アルンヘム・システムでクルスク戦のゲームを作りたいから参考にしたい」と持ち出してきたのは、日本の同人ゲーム「アリョール強襲 1943」だった。
1943年7月のドイツ軍によるクルスク突出部に対する攻勢が断念された後の、赤軍による反転攻勢をシミュレートしている。

基本的にはオーソドックスなアルンヘム・システムだが、GJの「スターリングラード強襲」同様、カードを駆使して砲撃支援や航空支援などを再現している。
装甲などは大隊、歩兵などは連隊規模で、1ターン4日で全6ターン。

GJゲームのようにお手頃なんだろうと思っていると、やたらとユニットが多く、スタック制限が1エリア15個とか大変なことになっている。しかも、初期配置でスタック・オーバーを起こしており、色々問題がありそうだ。

プレイしてみると、骨格的な部分は悪くない。
私がこのシステムがイマイチ好きになれないのは、攻撃側が一方的に防御側を叩き、しかも攻撃側はほとんど損害を受けない点にある。結果、攻撃側は損害過多によって攻勢意思が削がれることはなく、勝敗は規定ターンまでに勝利目的が達成できるかどうかに掛かっている。この点がどうもいささか非現実的に思えるのだ。

だが、本作品の場合、ドイツ側は数こそ少ないものの、打撃力は温存しており、旧日本軍的な「やられる前にやれ!」という欲望にかられて、攻勢防御を行いがちになるだろう。実際、普通に守っているだけでは、あっという間に赤軍の大波に飲まれてしまうに違いない。だが、効果的な反撃を行わないと、希少な打撃力を早々に失って、後は一方的にやられてしまう展開になる。その辺の判断が難しく、非常に良い感じに仕上がっている。

私がドイツ軍を持たせてもらって、攻勢防御を行い、航空攻撃も同調してそれなりに赤軍ユニットを除去し、数回に渡ってエリアを奪還した。こうした「取ったり取られたり」は、このシステムでは、AH「Breakout Normandy」くらいでしか見られないのではないか。AHのモンテ・カッシーノ戦のゲームはどうだったろうか。

しかし、いかんせんユニット数が多すぎて、広くないマップなのに非常に時間がかかってしまう。しかも、ユニットが多いことにあまり意味やメリットが感じられない。
ルールも微妙なところが曖昧だったり、未記載だったりする。
同人作品だから致し方ないが、将来性がありそうなだけに、色々惜しい作品である。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月23日

日露平和条約は千載一遇の好機

ここに来て反露勢力が盛り上がっているようだ。
いわく「ロシアには2島も譲るつもりはない」「いま占領しているロシア側に妥協する理由はない」「安倍はプーチンに良いように騙されている」などといったもの。

この手の話は日露戦争前の交渉でも散々叫ばれ、結果、現実に戦争に突入してしまった。
あの時は、「ロシアが朝鮮半島を譲るわけがない」「ロシアは日本を騙そうと交渉を先延ばしにしている」「いま戦争しなければ、勝てなくなる」といったことが言われた。
だが、ソ連側の資料が公開された現在では、どれも該当しないことが分かっている。ロシア側は韓国利権を全て放棄するつもりだったし、交渉が先延ばしになっていたのはロシア側の優先度が低かったからだし、後付だが遠からずして欧州大戦が起こっていたことも分かっている。少なくとも1904年の段階で、日本が無理する必要はどこにもなかったのだ。

まぁそれは良い。では現在はどうだろうか。
確かに日露関係のみを考えれば、2島を抑えているロシアに譲歩する理由は見当たらない。
だが、マップ全体を見てみれば、ロシアは容易ならざる環境にある。
敵愾心むき出しのEUとはいつ加熱してもおかしくないし、ウクライナ紛争が再発恐れもある。カフカスとて安全ではない。ロシアの優先順位は常に欧州が第一で、次にカフカスだ。
そして、現在のところ中国とは同盟に近い関係にあるものの、世界第二位の経済力と第一位の人口を有し、軍事力も急速に強化されつつある。今でこそ中国の目は、アメリカと東南海に向いているものの、いつシベリアに向けられるかわかったものではない。ロシアにとって潜在的脅威としては中国が第一等なのだ。

これらに比して日本とロシアは殆ど利害関係が対立しない。
欧州やカフカスに火種を抱え、潜在的に信用できない中国が超大国になりつつある中で、落ちぶれたりとは言え「強国」の一つである日本と平和条約すらなく、しかも領土紛争を抱えている状態が望ましい訳がない。
日本人は停滞と失墜に我を忘れてしまっているが、今のところは世界第三位の経済力と第七位の軍事力を有する大国なのだ。その「大国」の潜在的脅威を小さな島2つ(歯舞は群島だが)で解消することができるのであれば、明らかに安い買い物である。ゲーマー的に表現するなら「クズカード一枚」捨てるだけで済む話なのだ。

ところが、日本側の国内事情の問題から、安倍政権でしか妥結しそうになく、同時にロシア国内を治められるのもプーチン大統領がいるからこそであり、これは日露両国にとって千載一遇の好機なのだ。
ロシア側としては「どうせなら高く売りつけてやれ」と思っているかもしれないが、利害は一致しており、交渉が失敗して困るのはどちらも同じなのだから、本質的には成功率が高い交渉と言える。
今回の平和条約交渉は、ポーツマス交渉やノモンハン処理に比べれば、はるかに難易度は低い。ただ、外務省がことごとく妨害しているから進まないだけの話なのだろう。

どうも軍事の専門家というのは政治の話をさせるとまるっきりダメな感じだ。

もう一点はリベラル勢力から「容易に武力行使する国と平和条約とかありえない」という声が上がっている。
グルジア(ジョージア)やウクライナを念頭に置いたものだろうが、まずグルジアについてはロシアが侵攻したわけではなく、反撃しただけだ。ウクライナについては、ソ連期あるいはソ連崩壊時の国境線処理の不具合によるもので、局地紛争の延長にあるもの。ソフィン戦争やバルト進駐と同列に扱うのは公平とは言えないだろう。
ソヴィエト・ロシア学徒として言えるのは、スターリン死後のソ連・ロシアによる武力行使は、一般的な日本人が想像するよりもはるかに慎重に行われている。

逆に考え方を逆転させてみても良い。「危険なロシア」だからこそ、平和条約でタガをはめておくべきであって、「危険なロシア」との間に「平和条約が存在しない」方がはるかに安全保障上の脅威になる。中露韓朝と対立するとなれば、日本はますます対米従属を強める他なく、それは米による覇権戦争に対するより強力な協力が求められる話になろう。せっかく建造した空母を、中東や地中海に回せと言われてしまうかもしれないが、それで良いのだろうか。

【追記】
22日の日露会談では具体的な成果はなかったものの、会談時間は3時間と非常に長く、両首脳が「双方が受け入れ可能な平和条約締結に向けて努力することを確認、2月中に外相間で交渉を行う」としたことは、少なくとも前進しつつある、あるいは平和条約締結に向けて十分な政治資源を投入することを意味する。確かに安心できる状況ではないが、否定するような要素もないということだ。ロシア外務省の威嚇的な言動は「いつものあれ」なので、冷静かつタフに対応することが必要。ロシア人との交渉は本当に疲れるのだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月22日

安倍政権、2島決着案を検討

【安倍政権、2島決着案を検討 北方4島返還「非現実的」】
 安倍晋三首相は北方領土問題に関し、北方四島のうち色丹島と歯舞群島の引き渡しをロシアとの間で確約できれば、日ロ平和条約を締結する方向で検討に入った。複数の政府筋が20日、明らかにした。2島引き渡しを事実上の決着と位置付ける案だ。4島の総面積の93%を占める択捉島と国後島の返還または引き渡しについて、安倍政権幹部は「現実的とは言えない」と述べた。首相はモスクワで22日、ロシアのプーチン大統領との首脳会談に臨む。
 「2島決着」に傾いた背景には、択捉、国後の返還を求め続けた場合、交渉が暗礁に乗り上げ、色丹と歯舞の引き渡しも遠のきかねないとの判断がある。
(1月21日、共同通信)

本ブログ的には「何をいまさら」感満載だが、今なおGDGD言ってる連中が多すぎるので掲載しておく。
とはいえ、「じゃあ1956年以降60余年に渡る交渉は何だったのか!」という批判は外務省と自民党にお願いします。

ここに来てネット上には「ロシアは本気で返すつもりなど無い」云々なる言説が急浮上しているが、「じゃあ、本気で二島引き渡すならいいんだな?」と突っ込むしか無い。
「ウクライナ云々」という話も聞かれるが、ロシア学徒的にはロシア側のスタンスが揺れたのはソ連崩壊前後からエリツィン期にかけてのごく一部のみで、それ以外の時期では殆ど変化は見られない。

思い出されるのは、日露戦争直前の満韓交渉。最新の研究では、ロシア側は「最終的には韓国利権の完全譲渡もやむを得ないし、日本が占領ないし保護国化するなら、そこはそれで黙認」というところまで折れていたにもかかわらず、日本側は一方的に「ロシアは日本の韓国利権を認めるつもりがない」と断罪、「満州も南半分よこせ」と言い掛かりのような要求まで突きつけて、奇襲とともに宣戦布告した。
(参考:日露開戦の代償−開戦経緯を再検証する・上

こうした日本人の外交感覚の無さというのは、やはり島国根性なのか、異なる文化の持ち主と交渉する機会が少なすぎるからなのか、あまり文化論には触れたくないのでやめておくが、全く困ったものだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月21日

2018-19年度前期課程終了報告

おかげさまをもちまして、無事前期課程が終了しました。
記事にするほどの問題はなかったのですが、課題を残す結果となったことは否めません。
ある試験は平均点を76-77点で想定したところ平均71点で赤点が続出する事態となった一方、別の試験は平均点を82-83点で考えたものの、実際には満点が出て平均も88点になってしまう結果となりました。
教員としてはこの誤差を二点、せめて三点以内に抑えたいわけですが、まだまだ感覚が取り戻せていないということでしょう。もっとも教員復帰後、最初の本格的試験である上、当局の命令で11月半ばには問題を提出させられているので、今回は致し方ないと思う次第です。

誤差が大きかった理由の一つは、中国人の試験熟練度を甘く見た点にあります。前者の低得点試験は自由筆記を中心とする作文などの試験だった一方、後者の高得点試験は日本事情に関する丸暗記問題だったからです。
後者については、論文式にすると日本語能力を問う試験になってしまうため、それを避けるために選択式の知識問題にしたわけですが、中国学生の暗記能力の想定が甘かったということでしょう。
逆に自由作文になると、途端に惨憺たる状況になり、ひたすら甘めに採点してもかくなる結果に終わりました。
この辺のバランスをどうするか、あるいは後期の授業にどう繋げるかが、今後の課題です。

あと試験そのものとは別の話になりますが、成績評価に関する事務作業が非常に膨大かつ煩雑で、随分と時間を取られてしまいました。中学高校かよ、と思うくらい出席や宿題・課題の評価が細かく、しかも指定の書式に従って紙とデータの両方を提出する必要がありました。一から全部教えてもらってやるわけですが、教えてもらってもミスが続出して、最終提出に至るまで結構苦労しました。事務作業が得意な私がこれだけ苦労するのだから、普通の人は相当に苦労すると思います。
もっとも、これは学校によって大きく異なるらしく、私の勤務校が細かすぎるとのことではありますが、あまり気休めになりません。まぁ一度やれば二度目以降はもう少し楽になるでしょう。

赤点(平常点を合わせた総合成績60点以下あるいは本試験で50点未満)を取ると追試になるわけですが、赤点を取ったものはもともと士気が低いので、追試をしたところで合格する確率は高くありません。ですので、本試験で50点台だった学生はできるだけ平常点で「調整」して合格させてしまいます。現在の中国では、よほどのことが無い限り落第させず、卒業させてしまうので、面倒なだけだからです。
それでも本試験で50点未満だったものは、手の施しようがなく追試となってしまうわけで、今回は一人追試になってしまいました。まぁ残業みたいなものです。

普段の授業や指導についても色々反省すべき点があると思いますが、その辺はもう少しゆっくり考えたいと思います。
まずは少し休んで、採点と成績付けでとっちらかっている部屋を整理、掃除して、ゆるゆるとお土産を買って、来週帰国します。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 教育日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする