2019年01月12日

ラオスがT34をロシアに返還

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かつてラオス軍がソ連軍より貸与され、現役使用中の戦闘可能状態にあるT34-85を30台、ロシアに返還したという。
映像を見る限り、生産工場から出てきたかのように錯覚してしまうほどだ。
同戦車は1944年から46年までに約3万両が生産され、その後東欧諸国がライセンス生産で約5千両を生産している。

その兵器としての優秀性は、何と言ってもラオス軍に象徴される耐久力で、古くはベトナム戦争、中東戦争、アフリカ諸国の内戦を始め、最近では先のグルジア紛争やウクライナ内戦あるいはアフリカ各地の内戦でいまだ現役稼働していることが証明している。

なお、ロシア側は映画撮影やパレードなどでありがたく使わせていただく、とのこと。
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2019年01月11日

強権弾圧に向かう仏マクロン政権

【仏首相「過激暴力に厳罰」無届けデモ罰則強化へ】
 フランスで続く反政権デモを受け、フィリップ仏首相は7日、民放テレビ番組で、無届けのデモに対する罰則を強化する考えを明らかにした。破壊行為に加わった者に対し、デモ参加を禁止する措置もとるという。昨年11月から毎週土曜日に行われているデモは、主にインターネットの交流サイトで呼びかけられている。大半が警察への届け出なしで行われており、警察当局は十分に取り締まれていない。デモに乗じた暴力や破壊行為も横行しており、フィリップ氏は「過激な暴力には厳罰を与えなければならない」と述べた。無届けのデモは現在の法律でも代表者に禁錮6か月と7500ユーロ(約90万円)の罰金が科されるが、黙認されるケースもあった。今月5日のデモでは、暴徒化した一部の参加者がパリの政府庁舎の扉を壊して侵入する事態となった。
(1月8日、読売新聞)

フランスでは年が明けて再びデモが盛り返しているという。当局発表で5万人というから相当な規模である。
しかも、12月には様々な罪状がつけられて2千人以上が当局によって勾引されているのだから、実情は報道以上に深刻なはずだ。だからこそ、マクロン政権は「無届デモ全面弾圧」へと舵を切ったものと見られる。

そもそもデモはデモンストレーション、つまり政府などに対して民意を表明する一手段である。これはデモクラシー下においては、選挙の投票以外に民意を表明する手段として、本来は選挙と同レベルの価値が置かれるべきものなのだ。そのため、「当局に届け出なければ許されないデモ」というのは、本質的にはデモクラシーの原理に反する措置であって、だからこそフランスの歴代政権は大目に見てきた。
これは一種のパンドラの箱であり、「当局に届け出がないデモ」に対して当局が公然と弾圧を始めた場合、政府と市民の対立は決定的なものになるだろう。

こうした事態に陥ったのは、明らかにマクロン大統領の判断ミスに原因が求められる。
報道では「燃料税の増税に反旗を翻した」となっているが、デモに参加している者の少なくない人数は「本来は増税もやむを得ない」と考えているものと思われる。彼らが本当に怒っているのは、「富裕層に対して減税しているのに、庶民にだけ大増税かよ!」ということだろう。
これに対して、マクロン大統領は「燃料増税の延期」を表明しただけで、富裕層への課税には一切触れなかった。ここが運命の分かれ目だっったのだろう。仮にマクロン氏が「富裕層にきっちり課税するから、燃料税を認めて欲しい」と下手に出ていれば、少なくとも一時的にはデモは鎮静化あるいは小規模化したはずだ。

だが、マクロン氏はエリート根性丸出しで、「お前らに屈服して燃料税は一時的に延期してやるから、もう暴れるな!」と居丈高にやってしまったがために、事態が収まらなくなってしまった。さらに逆ギレして、「無届デモ弾圧」に舵を切ってしまった以上、フランスはもう一度何かコトが起こったら、いよいよ深刻な事態に陥る可能性が出てきている。
posted by ケン at 20:49| Comment(0) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月10日

公立校の精神疾患休職者が5千人超に

【17年度、休職の教員は5千人超】
 2017年度に公立小中高校などで精神疾患を理由に休職した教員は16年度から186人増の5077人で、4年ぶりに増加したことが25日、文部科学省の人事行政状況調査で分かった。02年度は2687人だったが、その後増え続け、07年度に4995人になって以降、5千人前後の高い水準で推移している。
 公立学校の全教員(約92万人)に占める割合は16年度比0.02ポイント増の0.55%。文科省の担当者は「教員の多忙と長時間労働が背景にあるのではないか」と話している。病気休職者7796人の65.1%が精神疾患で、このうち今年4月1日時点で復職していたのは1994人。
(12月25日、共同通信)

報道では単純に休職者数のみを挙げて「横ばい」としているが、公立校の教員数は10年前の約99万人に対して92万人まで減少しているのだから、母数の減少を考慮する必要がある。また、あくまでも休職者数であり、退職者は含まれないので、どこまで実態を表しているか疑問は残る。

文科省の「担当者」が言う「教員の多忙と長時間労働」は否定しないが、本業以外の業務の煩雑さやクレーム対応に触れていないのは、やはりヤクニンが教職労働の実態を知らないことの現れだろう。そもそも超長時間労働を強いられている教員が、給食費の取り立てから保護者のクレーム対応まで担っているのだから、精神を病まない方がおかしいくらいだ。
容易に認定しない厳格な(当局に都合の良い)基準だからこそ、この人数で済んでいるのであり、欧州基準で診断したら、教職の何分の1かは精神疾患(恐れを含む)の診断がくだされるのではないか。

ケン先生が教職の労働環境に触れたのは、ブログを始めて間もない2007年のことであり、国会に勤務する間もずっと指摘し続けたが、何一つとして改善されていない。それどころか、むしろ悪化していると言える。にもかかわらず、教員組合から「部活動を廃止してくれ」とか「労働時間上限あるいはインターバル規制を導入してくれ」などといった要望を受けたことは一度もなく、労働組合が全く機能していないことも事態を悪化させている。

・教員の質が低下するわけ

先ごろ、私立高校の教員がストライキを行い、「早朝の校長挨拶をボイコットした」旨の報道を見たが、フランスなどでは普通に教員が授業を丸ごとボイコットしたり、学校を封鎖したりしている。
マルクスが強調するように、労働者には労働力しか提供できるものが無いのだから、労働力の提供を止めることでしか資本に打撃を与えることはできない。つまり、教員の場合、本質的には授業をボイコットすることでしか、自らの労働力の価値を訴えることはできないはずなのだ。実際、教員組合本部にはストライキ用に何百億円という資金が溜め込まれているという話を聞いたことがあるが、死蔵になってしまっている。

やはり日本人はマルクスを読み直すところからやり直すべきなのだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月09日

驚愕の事実判明ー中国の大学にはゼミ制度が無かった

四年生の授業は前期で終わり、後期は卒論を書きながら、企業インターンなどを務めるのだという。
日本語科の場合、日本語で八千字から一万字程度の卒論を書くらしいのだが、どう見ても学生はその水準にない。まともに読めそうなものが書けそうなのは、30人クラスに十人といないだろう。この辺は全体主義国らしく、「国家スタンダード」による規定なのだろうが、形式主義とコピペが横行するだけで、何も良いことはないように思われる。

自分は卒論のテーマなどで学生から相談を受けたことはあったが、内容については全くタッチしておらず、一体誰が指導しているのかと聞いてみたら、中国人の先生が指導しているとのこと。それはそれで良いのだが、学部から博士号取得まで日本の大学にいた中国人の先生が「中国の大学にはゼミがないので、実質的には(学生は)放置状態ですよ」とおっしゃるので、驚愕した。

確かにかつて中国からの留学生は試験や日本語はよくできても、ゼミとなると途端に微妙というか稚拙と言うかレベルが落ちていたし、論文に至っては「これで修士とるのか?」というレベルのものが横行していた。が、それは他の国から来ている学生もさほど大きな違いがあったわけではないので、特に気にはしなかった。

とはいえ、そもそもゼミがないとなれば話は別である。言うまでもないことだが、ゼミがないということは、自分で調べて自分の考察や意見をまとめて発表する場が無いということであり、卒論を指導するクラスや空間が無いことを意味する。先輩の発表を聞き、指導を受ける姿を見ながら、論文の読み方を学び自分で研究を進め、あるいは同じゼミ生と意見交換しながら切磋琢磨してゆくのがゼミの最大の特徴であるはずだが、これがなくてどうやって卒論を書くのか、下手すると資料収集の方法すら教わらないのではないかという感じだ。

四年時まで講義形式の授業しかなく、突然卒論を書かされて、発表させられるのだから、気の毒としか言いようがない。
ケン先生の場合も、外国語学部ロシア語科の出身で外国語専攻だったため卒論は免除されていたし、ゼミにも入っていなかったので、中国の学生に近い状態にあるわけだが、日本では非常に例外的なケースと言える。

中国の大学にゼミがないのは、一説では「思想を育てることになるから」とのことだが、概ね当たっているのだろう。要は「独自の思考を行う術を学ばせない」ことに主眼が置かれているためと考えられる。もっとも、現実には人口=学生が多すぎて、ゼミ形式が成り立たないという問題もあるのだろうが。

結果、外国の大学院などに留学したエリートだけがゼミ制度を経験するということになっている。
ひょっとしたら、中国の大学は日本の文科省などが切望する職業訓練高等学校を先取りしているとも考えられるのだが、自分としてはとても推奨できない。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 教育日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月07日

だから軽減税率はダメよって言ったのに〜〜

【安倍政権、消費増税対策で5種類の税率が混在…国民生活はパニックで多大な負担】
 消費増税対策の迷走が止まらない。
 政府は11月22日、消費増税対策の基本方針を公表した。その目玉が「キャッシュレスレジ決済時のポイント還元を5%にする」というものだった。還元期間は、増税が始まる2019年10月から東京オリンピック開催前の20年6月までの9カ月間。
 対象商品は税率10%の商品だけでなく、軽減税率(8%)の対象となる飲食料品も含まれ、対象事業者はキャッシュレス決済ができる中小小売店や中小飲食店など。コンビニエンスストアやファストフードなどのチェーン店では、個人が経営するフランチャイズ店は中小事業者なので還元対象だが、大手企業である本社が運営する直営店は対象外となる。つまり、個人経営のフランチャイズ店が混在する小売店や飲食店では、5%還元分の費用について、フランチャイズ店は国が負担するが、直営店は企業が負担してほしいというものだった。
 しかし、「いくら大手企業の直営店とはいえ、9カ月間も5%の値引きを負担するのは厳しい」「5%も還元すると、買い物がコンビニや飲食チェーン店に集中する」という批判が高まった。そこで12月11日、コンビニや飲食店などのチェーン店は「5%ではなく2%の還元にする」という方針に変わった。
 ただし、2%還元分の費用は、中小事業者であるフランチャイズ店は国が負担するが、大手事業者である直営店は国ではなく事業者が負担する。
 この方式を採用すると、消費税率は、商品(飲食料品と非飲食料品)や売り方(テイクアウトかイートインか)、店の形態(中小事業者かチェーン店かそれ以外の大手か)によって、3%、5%、6%、8%、10%の5種類に分かれることになる(文末の表参照)。
 しかも、チェーン店といっても、コンビニやファストフードのように、フランチャイズ店が多い形態と、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンターのようにフランチャイズが少ない形態がある。
(12月16日、ビジネスジャーナルより抜粋)


こんな問題ははるか以前に指摘している。
事務負担の大きさが挙げられる。すでに家賃、教科書、医療・介護、埋葬関連などが非課税となっているが、これに軽減税率が加わると3つの税率が存在することになる。企業や行政の事務コストが急騰するほか、軽減税率で仕入れた商品を通常税率で仕入れたことにしたり、同税率で販売したりといった脱税が横行する危険性がある。それを回避するためには、インボイス方式を導入する必要があるが、これも企業と税務当局の負担を大きくするものでしかない。ただ、消費税の滞納額は全税の50%を超えており、ここでは説明しないがその背景を考えるとインボイスの導入自体は反対するものではない。
(改めて軽減税率に反対する理由、2015.02.04)

欠点は、管理コストが大幅に上昇する点。品目ごとに税率が異なると、直接の納税申告者である小売店の負担が非常に重くなる。そして、納税の正確さを期すためにはインボイスの導入が不可欠となり、さらに負担が重くなる。
そして、あくまでも「軽減税率」であり非課税ではないため、肝心の逆進性緩和という点で、十分な効果が得られるのか疑問が残る。
(軽減税率か給付付き税額控除か、2012.06.06)

たとえ一時的なものであれ、いやむしろ一時的なものだからこそ混乱を助長させると見るべきだろう。
こんなモンスタークレームのような軽減税率や非課税の要求こそ、強権を発動して拒否あるいは弾圧すべきであり、これでは何のための総理集権、あるいは一党優位体制なのか分からない。
あるいは、軽減税率の対象を拡大しないと、業界の支持が維持できないという政府・自民党の弱気の現れなのかもしれないが。ちょっと無理筋だろう。やはり、軽減税率が利権化していると見るほうが自然だ。

いずれにしても、この辺りにも政治の激しい劣化ぶりが見て取れる。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月06日

衆参同日選は無いか?

【首相、衆参同日選は「頭の片隅にもない」と否定】
 安倍首相は30日放送のラジオ日本の番組で、2019年夏の参院選に合わせて次期衆院選を行う「衆参同日選」の可能性を問われ、「衆院の解散は頭の片隅にもない」と否定した。皇位継承や主要20か国・地域(G20)首脳会議、消費税率の10%への引き上げなどの課題を挙げ、「こういうことで今は頭がいっぱいだ」と語った。
 北方領土問題を含む日露平和条約交渉に関しては「来年、外相会談を行い、その後、私自身がロシアを訪問してプーチン大統領と首脳会談を行う。その際、具体的な議論を始めたい」と述べ、来年1月21日に予定している首脳会談に意欲を示した。番組の収録は25日に行われた。
(12月30日、読売新聞)

安倍総理が「衆参同日選は考えていない」旨を宣言した一方、枝野氏や小沢氏は「ある」として準備を進めている。衆議院が「常在戦場」である以上、いつ解散が行われてもおかしくないと考えるのは自然な話で、野党側が「無い」と判断してしまうのは避けるべきだ。しかし、現実味という点ではどうだろうか。

安倍総理は解散カードを非常に上手く使いこなすことで長期政権を実現してきた。その意味で今回も最も効果的に使える場面を想定しているだろう。野田氏のような「やぶれかぶれ」や麻生氏のように「タイミングを逸する」ようなケースは考えづらい。
とはいえ、今年7月の参院選に合せてとなると、前回の総選挙から1年半しか経っていないことになる。それはさておくとしても、安倍氏にとって最も重要なテーマは憲法改正であり、国民投票に合わせて解散・総選挙を行うことで相乗効果を狙うと考えるのが妥当だろう。
だが、国民投票は国会で憲法改正が発議されてから60-180日間の周知期間を置くことが法律で義務付けられている。このため、仮に次の通常国会で憲法改正が発議(可決)されたとしても、国民投票ができるのは秋以降となり、参院選に合わせることは不可能だ。自民党内ですらやる気が見られない憲法改正について、国民投票を単独で行うのはリスクが大きく、安倍氏としては衆議院総選挙とセットにして行うことで成功率を上げたいところだ。それだけに、解散カードは参院選で切る訳にはいかないと思われる。

しかし、逆に今国会で憲法改正が発議できなかった場合、今度は「憲法改正」を掲げてきた安倍氏の求心力が低下するため、改めて憲法改正を議論の正面に据えること、そして政治的主導権を確立するために、衆参同日選に出るケースは十分に考えられる。
だが、安倍氏は「現時点では憲法改正発議ができないケースは考えていない」ため、「頭の片隅にもない」という発言に至ったものと見て良い。
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2019年01月04日

腐敗官僚による天下りの連鎖

【懲戒処分の元文科官僚が組織委入り 東京五輪・パラ】
 文部科学省を巡る接待汚職事件に関与した元コンサルティング会社役員から飲食接待を受け、辞職した前文科省初等中等教育局長の高橋道和(みちやす)氏(57)が2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会入りする。3日、関係者が明らかにした。
 高橋氏は15年10月に発足したスポーツ庁で長官に次ぐ初代の次長職を務めており、スポーツ行政の手腕が評価された。大会開催を翌年に控え、準備を加速させるための組織強化とみられる。高橋氏は昨年9月、国家公務員倫理規程に基づき減給の懲戒処分を受け、辞任を申し出ていた。
(1月3日、毎日新聞)

新年早々おめでたいニュースが。
腐敗役人が準公的機関に天下りしたのでは、何のために辞めさせたのか分からない。
むしろ先をとって辞任したことで、責任追及を逃れ、天下り先に転身したと見るべきだろう。
これでは腐敗構造が蔓延するばかりであると同時に、オリンピックそのものが腐敗構造の中核をなしていることを示している。

数年前、野党議員にも誠実に対応してくれた某省の局長が定年退職する際、「天下り先もまだ決まっていない」と嘆いておられたが、日本社会が能力や職務に対する誠実さで人物を評価するのではなく、組織に対する忠誠度や人間関係で評価される社会であることを示している。
日本社会が制度だけでなく、文化や慣習面においても堕落、腐敗していることの現れと言えよう。
posted by ケン at 12:00| Comment(6) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする