2026年06月13日

赤澤経産大臣が中国要人と立ち話

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政府側の人からは「中国は日本と和解するつもりはあるのか」旨を聞かれるのだが、思い違いも甚だしい。

令和帝政・高市政権は目下のところ対中戦を想定して3倍軍拡(予算5兆→15兆円)を進めており、台湾有事への軍事介入をも実質明言、挙句の果てに「従来通りの方針」と宣言している。外交でもフィリピンやインドと組んで対中包囲網の組織化を進めている。
しかも高市政権は「中国側が折れてくるなら話くらいは聞いてやる(日本側は常にオープン)」というスタンス。
当然、中国側が軍需に転換可能なレアアースなどの輸出規制を強化、それに対し日本側は非難を強化するスパイラルに陥っている。

もちろん敵対関係にあっても、独ソ不可侵条約や日ソ中立条約などの例があるだけに、対話そのものは可能だろう。
しかし、その場合は相応の条件を提示する必要があるわけだが、今の日本に中国側を納得させられるだけのネタは存在しないだろう。
中国側もそれを理解しているだけに、「立ち話位は聞いてやる」くらいになっている。

日本のSNSなどでは「日中関係が断絶して被害が大きいのは中国で、すぐにも崩壊する」などという話が出回っているが、貿易総額で中国に占める日本の割合は4~5%に対し、日本の対中貿易の割合は18%程度。
今どきの中国の学生に「日本製品何を持ってる?」と聞いてみても、アニメグッズや文房具が挙げられる程度なのだ。

問われているのは帝国日本の「覚悟」であり、中国側として聴きたいのは「やるのかやらないのか」という点なのである。
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2026年05月25日

安保3文書改定は中国の「脅威」認定が焦点

【安保3文書、中国「脅威」焦点 政府・与党、明記に賛否交錯 現行は「最大の挑戦」】
 政府が年内に予定する安全保障関連3文書の改定で、中国を巡る情勢認識が論点の一つとなっている。
 高市早苗首相の台湾有事発言を受けて日中関係が冷え込む中、現行文書より表現を強めた「脅威」の文言を用いればさらなる反発は必至。与党に強硬論がある一方、対中関係を考慮して抑制的な書きぶりが望ましいとの声も出ている。
 自民党は2022年末の前回改定時に政府に提出した提言で、中国の軍事動向を「安保上の重大な脅威」に位置付けるよう求めた。だが、連立を組んでいた公明党が対立をあおるなどと難色を示し、国家安保戦略の中国と直接結び付けた箇所では「深刻な懸念事項」や「これまでにない最大の戦略的な挑戦」といった言葉が使われた。
 その頃、ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に反発した中国が台湾周辺海域に弾道ミサイルを放ち、日本の排他的経済水域(EEZ)にも落下するなど情勢は緊迫化していた。これを踏まえ、3文書の一つである国家防衛戦略でミサイル発射に触れて「地域住民に脅威と受け止められた」と記し、間接的な言い回しで脅威認識を盛り込んだ。
 一方、北朝鮮については安保戦略でも防衛戦略でも「重大かつ差し迫った脅威」と明記した。
 それから3年半、中国の軍備増強や海洋進出は一段と進んだ。昨年は小笠原諸島やグアムを結ぶ太平洋上の「第2列島線」付近で空母2隻が初めて同時展開。中国とロシアの爆撃機や戦闘機の共同飛行も目立つ。
 自民の安保調査会では(1)米軍の軍事的優位性低下(2)中ロの戦略的連携―をどう捉えるかが検討課題に挙がった。ある自民関係者は「以前より情勢が悪化しているのだから、同じ表現では収まらない」との見方を示す。
 これに対し、外相経験者の一人は「わざわざ『脅威』と書けば中国が反発するだけだ。工夫が必要だ」と慎重論を唱える。実際、中国とは「戦略的互恵関係」を進め、「建設的かつ安定的な関係」を目指すのが日本の公式の立場。首相自身、「対話はオープン」と呼び掛けている。
 同時に首相は日本維新の会との連立政権合意に基づき、保守色の強い政策を推進する。武器輸出を原則的に可能とするため防衛装備移転三原則と運用指針を改定。中国は「重大な懸念」を表明し、摩擦は強まっている。
 3文書改定に向け、自民と維新はそれぞれ論点整理を進めており、6月上旬までに政府への提言をまとめる。政府関係者は「『脅威』と書いていいことは一つもない」とした上で、「維新が強硬論を主張した際にどう折り合いをつけるかが焦点だ」と語った。
(5月10日、時事通信)
 
「安全保障分野についてのみ中国を脅威認定しようじゃないか」みたいなノリが現状でやや幅を利かせている模様。
これは「中国との経済的関係は現状を維持しつつ、対中軍拡と反中工作を推進する」というもの。
言うなれば、独ソ不可侵条約下の独ソの関係に近いわけだが、要は「対中戦の準備ができるまでの時間稼ぎ」である。

当然のことながら世の中そんなに都合よく行くわけがなく、中国側は「戦略的互恵関係を破棄していきなり仮想敵国扱いかよ!」となるのは必定。
もちろん現在でも対中戦を想定して軍事費倍増から3倍増への流れにあり、現状でも国債費、社会保障費、地方交付金などを除いた中央政府裁量下にある政策経費の約25%を軍事費に充てているような状態にある。

安倍政権下では、「反西側の権威主義国家とも安定的関係を築く」方針の下でロシアとも中国とも関係改善に務め、その一方で「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)を展開することで対権威主義国家外交の担保・保険となした。
これは日本外交の両輪でバランスを取りつつも、一国の外交自主権を担保するなかなかの好守だった。
もっともその代償として、集団的自衛権を解禁し、「積極的平和主義」として「アメリカが悪いやつをボインとやっちゃう時はお付き合いしますぜ」というスタンスを打ち出す他なかった。
積極外交するとなれば、このような結果になるのは不可避であり、私としては「合理的帰結」とみなして、左翼業界の中では完全に孤立していたものの、安倍外交に好意的だった。

ところが、現在の高市政権下ではFOIPだけが残り、実質的に「ロシアも中国も朝鮮も仮想敵」となっている。
これは「安倍の弟子」を主張する高市が実は非清和会の「ただの(お調子者の)タカ派」であり、党内基盤を持たずに好戦的な国民の支持を背景に首相の座を維持しているため、好戦的あるいは歴史修正主義スタンスを誇示する以外に選択肢を持たないためと考えられる。

現実には中国を脅威認定すれば、中国側は「じゃあ払うもん払ってもらおうか」という話にしかならず、日本がそれに耐えられる保証はない。
それを抑えたうえで、改定三文書でどこまで踏み込むのか興味深く見守りたい。
できれば、その議論は誰が何を言ったかまで全て公開してもらいたいところである。
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2026年01月31日

台湾問題と日中関係

「中国はなんであんなに台湾にこだわるのか」はよく聞かれることだ。
私は中国滞在経験があるし、党関係者とも接点を持ってきたが、中国の専門家ではない。

ちなみに「中国共産党員と関係がある」というと、色々思われてしまいそうだが、中国共産党は1億人からの党員がおり、国民8人に1人が党員なのだ。社会や組織の枢要にあるものは党員であることが多く、有望な若者は共青団(中国共産主義青年団)に誘われる。
大学にも党支部があり、通常の経営陣を党が監督する関係にある。私がいた日本語学科の場合、学科長は非党員だったが、教務主任は党員であった。
街中の商店には「本店は共産党員が経営しています」という看板が飾っていたりして、「これは何が言いたいんだろう?」と思ったものだった。
「中国やソ連では党員が優遇されるんだろう」も良く聞かれることだが、現実は逆で能力が認められた人が党員になれる傾向が強い。つまりエリートの証である。特に中国の場合、これを徹底したからこそ崩壊せずに成長したと言っても良い。

本題に入ろう。
一般的に「中国が台湾にこだわる理由」としては、

「国共内戦の延長上だから」
「安全保障上の目の上のたん瘤だから」
「太平洋への出口が欲しいから」
「大陸封鎖の要だから」
「半導体技術が欲しいから」

などあるが、どれも納得できるものではない。
複合的なものと言えば、そうなのだろうが、どうも説得力に欠ける。
ゲーマー的に最もわかりやすいのは、

「中台統一は中共の勝利条件だから」

というものだろう。
例えば、ナチス=ドイツによるソ連侵攻はその必要性という点で大いに疑問があり、実際に非常に多くのものが懐疑的だった。
その説明としては「ソ連に背後から襲われる前にやるんだ」というものがあったものの、説得力はなかった。
結局のところ最も説得力があったのは、「スラブ人種を絶滅させて東方生存圏を確立するんだ。我が闘争にも書いてあるだろう」というものだった。
つまり、「(プレイヤーとしての)ナチの勝利条件なのだ」というものが結局のところ一番説得力があるのだ。

大日本帝国の場合は、これが「満蒙(プラス中国)」という話になる。
戦前の日本人が満蒙や中国利権にこだわった理由はいくらでも説明できるが、「それが帝国日本の勝利条件だったから」というのが最も説得力があるように思える。
もっとも、帝国日本の場合、満蒙利権を(ソ連から)守る軍事力すら不十分なのに、中国に侵攻して全面戦争を起こした挙句、アメリカから中国からの撤兵を求められて逆切れして米英に宣戦布告している。
これを合理的に説明するのは難しく、「勝利条件だったから」と言うほうが納得できるだろう。

で、日中関係の話をすると、現在の日中関係悪化の根源は、国会における11月7日の高市首相の答弁に起因している。
それは、中国が台湾に対して武力行使を行った場合、明らかに日本の存立危機事態になり得るというものだった。
右派論者は「高市首相は日本の存立危機事態と言っただけで、集団的自衛権行使を明言したわけではない。中国が日本を叩く目的で騒いでいるだけ」と反論、日本政府も基本的にはこのスタンスで反論したため、中国側が徐々にヒートアップした経緯がある。

日本側はもともと「中台戦争→台湾海峡封鎖→存立危機事態」「中台戦争→在沖米軍基地攻撃→集団的自衛権発動→自衛名目で対中戦」という二本立てで想定しており、政府の説明は日本の立場の説明としては「間違ってはいない」ものの、中国側が納得するかは別問題だった。
日本はこのスタンスを「明言しない」ことで、日中関係を維持してきたからだ。
現行の日中関係(国交回復を含む)の根源にあるのは日中共同声明である。
第二項:日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

第三項:中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。

日本政府は中国政府による「一つの中国」を「十分理解し、尊重」するだけで、合意・承認したとは言っていない。
だが、現実には日本政府は形式だけ退職した官僚や自衛官を次々と台湾に送り込み支援すると同時に、自民党の議員団が続々と台湾を訪問して「(独立への)連帯」を表明している。
「日本はルール解釈を逆手にとってやりたい放題している」というのが中国側の理解である。

だが、先にも述べたように、ポツダム宣言第八項は「日本の領土を本州、北海道、九州、四国の4島と連合国が認める諸島に限定」というもので、同様に台湾を中華民国に返還する旨も明言されている。
この台湾などを中華民国から中華人民共和国に継承することを「(遠回しに)認める」こともまた日中共同声明の構成要素であり、中国にとっては最も重要な点でもあった。
その担保として、中国はポツダム宣言の外にある沖縄・琉球の主権(帰属)問題を棚上げしている。

日中共同声明を護持するからには、日本は「台湾独立」や「中国と台湾の両立」を認めてはならない。
公式的あるいは外交的には、仮に中国政府が台湾に対して武力行使したとしても、それは国内に対する武力行使であって、「他国に対する武力行使」とはならない。
これを首相が「日本の存立危機事態」と国会で宣言したということは、たとえ後から「集団的自衛権を行使するとは限らない」などと個別に「ご説明」されたところで、中国側としては納得できないだろう。

中国政府と共産党は国民に対して「一つの中国」をプロパガンダしてきて、それはすでに「勝利条件」にもなっている。
日中国交回復に際しても、日中戦争の記憶が根強く残る当時にあって「日本政府は一つの中国を尊重した」と説明することで、説明してきた経緯がある。
その後も中国政府は日本政府が日台関係を保持していることは暗黙の了承を与えてきた(文句は言うが)。
しかし、台湾(中国国内という建前)への武力行使を「日本の存立危機事態である(開戦辞さず)」と宣言されてしまっては、国内への説明の上でも中国政府は黙っていられなくなった。
実際、近年の日本は対中戦を想定して軍拡を進めているのだから尚更だろう。

それでも日本側が平身低頭して「あれは首相が勝手に言ったことで、帝国政府の本心ではありません」と説明して、首相を更迭していれば、中国側も納得したかもしれない。中国も必ずしも本気で日本と関係悪化を望んでいるわけではないからだ。
ところが、日本側は独自のルール解釈を述べて自己正当化に努めただけに終わり、「日本政府は従来の方針を堅持する」とケツをまくった挙句、高市は「自分の対中強硬路線(安全保障政策の根本強化)を有権者に判断してもらう」として議会を解散してしまった。
こうなると、「従来の方針って何だ?対中戦決意ということか!」と中国側が(立場上)激高するのは避けられなかったのである。
今となっては中国側と和解姿勢を示しただけで「売国奴」と罵られ、話し合おうとすれば外務省から徹底的に妨害されるだけに、中小規模の紛争、軍事衝突は避けがたいところまで来ているのかもしれない。

日清戦争と日露戦争は外交上の失敗を武力でもって覆すために生起した。
日清戦争は朝鮮の宗主権を清に求めて拒否され、日露戦争は朝鮮の統治権と満州利権をロシアに求めて(満州部分を)拒否されたため、武力解決に及んでいる。
中国側が「こいつらまたやる気だ(軍国主義の復活)」と主張する背景を、日本人はよく考えるべきだろう。だが、歴史修正主義によって日本人はますます対外強硬主義に傾斜しつつあるのが実情だ。
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2026年01月18日

レアアースの備蓄はあと半年で払底、そして対中開戦??

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2010年に尖閣沖漁船衝突事件の影響で中国がレアアースの輸出規制を行った際に、日本政府はレアメタルの国家備蓄目標を「60日」と定めた。
その後、日中関係が緊張する中で、2020年に目標を「180日」と定めたものの、現実には全ての希少資源について備蓄目標を達成できるはずもなく、この記事も相当に楽観的と考えられる。

そして、選挙が近いことから、「代替入手を協議」「南鳥島で試掘開始」とのプロパガンダが頻繁に流されているが、すぐ入手できるものはごく一部に限られる。
特に有力視される豪州の場合、環境基準の厳しさから採掘が始動するのは早くて2030年頃で、遅れることはあっても早まることはない。
南鳥島の海底資源に至っては深海6千メートルのもので、試掘できたとしても商業ベースに乗せるには何十年もかかる上に、採算は見込めない。

中国側は代替入手が困難なレアアースに限って規制を強化してくるものと見られるだけに、早ければ今年中にも日本の基幹産業の一部が操業停止に追い込まれる可能性がある。

「あと半年で石油備蓄がなくなるから今対米開戦するしかない」と軍部やメディアが煽った1941年夏を彷彿とさせるのが、今回の選挙となるであろう。

結局形だけ民主化してみたところで、根っこは変わらなかったのかもしれない。

今回の解散は「中国による対日制裁逃れ」という側面もある。
中国政府によるレアアース規制は発動されれば、年内にも自動車をはじめとする日本の基幹産業の一部が操業停止に陥る可能性がある。
野村総研の試算では規制開始から3カ月だけで6600億円の損失が予想されるという。
代替調達は今協議しても実行されるのは早くて数年後という世界で容易ではない。
そうなれば、高市首相の責任が問われるのは不可避となる。
それだけに、今のうちに解散総選挙しておこうという話にもなるのだろう。

第二帝政は、政権の都合で自由に議会を解散できるシステムが原因で瓦解する流れにある。
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2025年12月29日

高市外交と安倍外交

高市政権の対中強硬路線が多くの国民の支持を受けている(ように見える)。
「強大で威圧的(かつ邪悪)な中国に対して一歩も引かない」スタンスがカッコいいというナラティブだろう。
政府もそのように宣伝し、メディアもそのようなイメージづくりに貢献している。

内閣情報調査室は、表向き「重要政策の策定にかかる情報収集と分析」を目的としているが、もともとの設立趣旨は「国民世論の調査と分析、そして誘導」にあった。
安倍政権以降は、本来の趣旨に沿った動きを強めているように見える。
その理由の一つは、中国やロシアによる世論工作が強度を強めているのに対し、英米系のメディアが衰退傾向を示し(日本人が見なくなっている)、国内メディアの信頼度が地に落ちていることがある。
政府としては「カウンター・インテリジェンス」の意図がある一方で、実質的には例えば「土日は投稿しない政府支持アカウント」が急増するといった、「どっちもどっち」的様相を呈している。
その効果もあってか、今や「中国嫌い」「中国を邪悪な脅威とみなす」国民が9割前後に上るといった事態になっている。
高市の支持率が高い背景である。
結果、高市政権が強硬姿勢を示せば示すほど、9割からの支持が手厚くなるという傾向が強まっている。
先ごろ発生したPLAによる自衛隊機へのレーダー照射事件なども、同様の文脈の延長線上にある。

その高市氏は「安倍政権の政策継承」を謳っており、特に外交や安全保障戦略を重視しているという。
だが、実際の安倍政権では、安倍氏本人の主義主張(親台反共)に反して、ロシアとの協調(日露平和条約)や日中協力(一帯一路への参加)を進めた。
その一方で、安倍政権は「自由で開かれたインド太平洋」構想を提起、米豪日による対中封じ込めと日印協力を進めた。
この一見矛盾する二面性はロシアからも中国からも高く評価され、この期間は日本の安全保障環境が一時的に安定していた。

もっとも、安倍氏は第一次トランプ政権に対し、朝鮮への武力行使を強く迫ったともされており、決して平和志向者だったわけではない。
朝鮮半島が韓国によって統一され、米軍が北部朝鮮にまで進出した場合、冷戦の最前線は中露韓国境(鴨緑江、豆満江)になり、対日圧力が減じられるためだった。
同様に朝鮮という脅威が消失すること自体、日本の安全保障環境を改善するものと考えられた。

その評価はともあれ、安倍氏の戦略構想は一定の合理性があり、他国からも評価されていた。
これに対し、「高市外交」なるものは今のところ単にアメリカにすり寄って、日本をめぐる安全保障環境の緊張度を上げるばかりで、「それでこの後どうするの?」というところが何も見えてこない。
「自由で開かれたインド太平洋」の推進は明白としても、それは安倍外交の一極でしかなく、対中露と敵対したままどうするのか、その方針や戦略を示す必要があるだろう。
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2025年12月26日

官邸で「核」をギロン?

【官邸幹部「日本は核兵器保有すべき」 政権内の議論は「ない」と説明】
 首相官邸の幹部は18日、報道陣に対し、日本を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、個人の見解としつつ、「日本は核兵器を保有すべきだ」との考えを示した。この官邸幹部は、高市早苗首相に対し安全保障政策などについて意見具申をする立場にある。ただ、実際に政権内で議論を進めているわけではなく、核不拡散条約(NPT)体制との兼ね合いなどから実現は難しいとも指摘した。
 官邸幹部は、中国の核戦力増強やロシアによる核の脅し、北朝鮮の核開発など、日本を取り巻く安保環境が厳しさを増しているとの見方を示したうえで、米国の核抑止の信頼性の問題にも言及。「日本は核兵器を保有すべきだ」との考えを示し、日本独自の核兵器保有について議論する必要があるとの認識を示した。
 一方、米ロ英仏中の5カ国のみに核保有を認めるNPT体制との整合性が課題になるほか、非核三原則の見直しには政治的な体力が必要になるとの見方を提示。現在、政権内で日本の核保有をめぐる議論をしているわけではないとし、核保有を目指す時期についても言及を避けた。
 首相は就任前、非核三原則のうち「持ち込ませず」の見直しを訴えていた。首相は国会で、安保関連3文書の改定の際に「非核三原則の堅持」の文言を引き継ぐかを問われ、「私から申し上げる段階ではない」と明言を避けており、非核三原則をめぐる表現も議論されるとみられている。
(12月18日、朝日新聞)

永田町を離れて7年以上経つので現在のことはわからないが、安倍政権下であっても日本の核武装が「議論」された形跡はなかった。
だが、核保有論者が自民党や政府内外にいたことは確か。とはいえ、その殆どは「現実的には無理だけどね」と断りを入れて話していた。

ただ、これが核共有論になると、いきなり現実味が出てきていて、外務省や安全保障担当の少なくないものが「議論」していた形跡がある。
石破前首相も、アジア版NATOの結成を前提に核共有と有事における核の持ち込みについて検討すべきだとしていた。
核共有論が「内々の議論」に終わっているのは、恐らくはアメリカ側が全く反応を示さないためだと考えられる。
そもそも核共有論は、ワルシャワ条約機構軍による西欧侵攻を前提とし、西欧諸国に米英の戦術核を配備して、作戦レベルで東欧軍の足止めに使用する建付けの上に成り立っていた。
具体的には、平時には米国の(模擬)核搭載機で訓練が行われ、有事の際には配備先の国の軍用機が核の実弾を搭載・運用する流れとなる。

これを日本に適用する場合、沖縄や九州に上陸したPLA、あるいは北海道に上陸したRAFなどに対して、在日米軍基地に配備された戦術核を自衛隊機が搭載、発射・投下するという話になる。
つまり、帝国政府や自民党は「自国(日本)領土内で核を使用するのもやむを得ない」との認識に立っていることを意味している。さすが「国体護持のためにさらに2000万人の特攻」を主張した帝国の後継である。
石破などは「そんなことは想定していない」と反論しそうだが、戦略核に対する核共有などというものはそもそも(理論的に)存在しないし、アメリカにとって全くメリットがないから、外務省や安保担当者が内々に打診しても無視を決め込んでいるのだろう。

(永田町を)退役したものから見て、いまの霞が関や永田町の知的劣化は凄まじいの一言である。

【補足】
政府や政治家の説明で注意を要すのは、連中が「議論はない」という場合の「議論」とは「平場での議論」を指し、これは霞が関や永田町用語では「多数のヒラ議員が参加する会議」を意味する。いわゆる「部会」である。逆に幹部会や役員会は「議論する場ではない」との認識が共有されているため、幹部会などでの話し合いは「議論」とは言わない慣例がある。この辺の内部コードを知らないため、平気で「政権内での議論は行われていない」などと報道することになるのだ。
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2025年12月15日

上海事変時のコーラ広告

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第一次上海事変の有名な写真。
日本海軍陸戦隊の装甲車はM25四輪装甲車(英Vickers-Crossley M25)。

左上はコカコーラの宣伝。
コーラは中国では1927年に販売開始されたが、日本では1957年からだった。
つまり、アメリカは中国に巨額の投資をしていた。
日中戦争が日米戦争に直結した理由がわかるだろう。
中国市場の寡占を目論んだ日帝が米英(特に米)の逆鱗に触れた格好だった。
こうしたアジアン・モンロー主義は今も外務省などに濃厚に引き継がれている。

ま、愛国者どもは100年経ってもわからんだろうが。
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